大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

#写真

1週間遅れて満開!

東京の桜の満開は3/22という発表だった。とはいえ、樹木や品種、あるいは日当たりなどによって満開はずれるようだ。毎年確定申告書を提出している「本所税務署」近くに、桜と東京スカイツリーが見られるお気に入りの場所がある。開花宣言があった3/14に税務…

ピタリと寄り添って泳ぐ魚

魚類ならではの行動がある。別種の魚がピタリと寄り添って泳ぐ「併泳」だ。どちらかにメリットがあるものと思われるが、詳しいことは知られていない。併泳で最も多い組み合わせは、ヒメジ類とベラ類だ。ヒゲで海底を探るヒメジ類のおこぼれが目当てなのだろ…

ミジンベニハゼ属について

ハゼ科ミジンベニハゼ属は世界に7種、日本に3種(ミジンベニハゼ、ナカモトイロワケハゼ、イレズミミジンベニハゼ)分布している。いずれも全長約2~3cmと小さい。同属は内湾の砂地に生息することが特徴で、産卵には空缶や空瓶、貝殻などを利用する傾向があ…

隅田川の桜

3/22(水)、東京の桜は満開と発表になった。平年より9日早いそうだ。昔は4月上旬だったので、やはり温暖化の影響だろう。満開のニュースを知る前に、隅田公園へ見に行った。平日にもかかわらず、大勢の人が桜を楽しんでいた。 隅田公園で花見を楽しむ人たち…

知人がテレビに

最近、何人もの知り合いがテレビに出た。 今年はテレビ放送開始70周年ということで、NHKと日本テレビがコラボ番組を放送している。その一つが「THE鉄腕・ダーウィン」だ。「鉄腕DASH」が撮影を続けている横浜のDASH海岸にNHKの「ダーウィンが来た!」取材班…

黄色が目印・キシマイシヨウジ

ヨウジウオ科イシヨウジ属は、日本に4種分布している。イシヨウジ、クチナガイシヨウジ、オビイシヨウジ、キシマイシヨウジだ。いずれも全長は12cm前後で、サンゴや岩の上を這うように移動する。4種の中で日本初記録が最も遅いのがキシマイシヨウジで、80年…

さわやか自然百景で真鶴

3月12日(日)午前7時45分からのNHK「さわやか自然百景」は、「神奈川 真鶴半島の海」。毎回見ているが、海は久々だった。まずウツボが出てきて、ソリハシコモンエビがクリーニング。なかなかマニアックなシーンといえる。 ウツボがクリーニングされるシーン…

写真展「海で逢いたい」東京展終了

3日からO美術館で開催していた写真展「海で逢いたい」東京展が、8日無事終了した。行動制限が緩和された関係で、大勢の方々がお見えになり、昨年と比較しても見通しは明るいと感じた。 土・日はたくさんの入場者が 今回はマンタをクリーニングするミゾレチョ…

第26回「海で逢いたい」東京展開催!

いよいよ本日(3月3日)より「海で逢いたい」東京展が始まった。出展数は約60点で、通常よりは少なめだが、行動制限が長かった状況を考えるとまずまずの点数だと思う。そのうえ東京展では、イラストやアクセサリー、陶器などの展示も行っているので、見ごた…

スミツキソメワケベラの習性

クリーニングフィッシュとしてよく知られているのは、ベラ科ソメワケベラ属のホンソメワケベラ。同属にスミツキソメワケベラがいる。全長約7cmで、胸ビレの下にある黒斑が特徴。慶良間諸島以南の西部太平洋に分布するが、日本にはきわめて少ない。 あくびを…

神戸小旅行

2泊3日で神戸に行った。目的は写真展「海で逢いたい」神戸展だが…。25日(土)は元町にある知り合いの店でランチを食べてから会場入り。今回の展示数は40点弱と少なめ。やはりコロナの影響がまだ続いている。数名の知り合いが見に来てくれたものの、東京展と…

奇妙で美しいシーアップル

シーアップルという生物がいる。丸い形をしていて、大きさは10数cm。色は赤が基本のようだが、バリエーションは豊富。上部からフサフサの触手が現れることもあり、これでプランクトンを付着させる。ここまで読んで、これがナマコの仲間だと思う人はまずいな…

春を探しに

春が待ち遠しくて、探しに行った。行先は江東区の亀戸天神の梅まつり。紅白の梅の花が咲いてはいたが、つぼみの状態のものやまったく咲いていない枯れ枝のようなものもあった。 亀戸天神境内の梅 梅まつりは2月4日~3月5日の1か月間で、種類によって満開の時…

ウミガメと関わる魚たち

サンゴ礁域で出会えるウミガメは、アオウミガメかタイマイがほとんんど。これらのウミガメと関わる魚もいる。そんな魚たちを取り上げてみよう。まずはコバンザメ。アオウミガメに付くことがあり、その理由は寄生虫を食べるためとの説もあるが、定かではない…

ニセクラカオスズメダイについて

スズメダイ科のニセクラカオスズメダイは全長約10cmで、八重山諸島以南の西部太平洋に分布している。クラカオスズメダイと似ているものの、本種には縞模様がない。日本の図鑑に初めて載ったのは1984年発刊の『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)で、八重…

意外に多いササムロ

タカサゴ科のササムロは全長約30cmになり、奄美および八丈以南の西部太平洋、インド洋に分布する。同科のタカサゴとよく似ていることから、混同されやすい。そのため、知名度は低い。 ササムリ(コモド) 両種の外見的な違いは尾ビレで、タカサゴは上下の先…

ハオコゼについて

ハオコゼ科のハオコゼは全長約10cmになり、本州中部以南、朝鮮半島南部に分布している。浅瀬の岩場や藻場に生息する。特徴は背ビレで、前のほうの数本のトゲが長い。このトゲには毒がある。体色は赤味がある茶色で、その中に複雑で保護色効果のある斑紋が入…

「ニモ」の真実

ディズニー映画の「ファインディング・ニモ」が大ヒットしたのは20年前。当時カクレクマノミは魚類一の人気者に。正確には、イースタンクラウンアネモネフィッシュという近縁種だが。両種は背ビレのトゲの数が違うため別種になっているものの、外見では区別…

ツマジロモンガラの体色

モンガラカワハギ科のツマジロモンガラは全長約25cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。生息域はサンゴ礁域で、九州以北で見られるのは幼魚や若魚と思われる。体色は茶色だが、個体によって微妙に異なる。最大の特徴は、尾ビレの先端…

水中写真を使った年賀状 2023

水中写真を使った年賀状を紹介するのが恒例になっている。今年は11通と例年に比べると少なくなった。やはり海外に行けない事情があったので、しかたがないだろう。 今年いただいた水中写真の年賀状 11通の中から気に入ったものを選んでみた。選ぶ基準は、撮…

コガネアジの生態

アジ科のコガネアジは全長約40cmになり、琉球列島以南の西部太平洋、インド洋、紅海に分布している。主にサンゴ礁域に生息し、単独~数尾のグループで行動している。日本ではあまり見られない。体色は銀色で、体側に黄色の斑点がある。和名は黄色い個体が多…

干支にちなんだ海の生物

うさぎにちなんだ海のいきものは、ウミウサギガイかラビットフィッシュしか思い浮かばなかった。ラビットフィッシュはアイゴ類のことだ。ところが、うさぎを連想させる海のいきものを集め、特別企画展を新江ノ島水族館で開催というニュースを見た。それには…

2022年を振り返って

今年は新型コロナの感染が収まっていないにもかかわらず、感染対策をしながら経済を回すという国の方針にしたがい、さまざまなイベントが再開された。水中写真展「海で逢いたい」もしかり。開催にあたっては、出展数の減少が予測されたため、写真集から20点…

ロウニンアジの生態

アジ科のロウニンアジは、茨城県以南の太平洋、インド洋に分布している。ただし九州以北で見られるのは主に幼魚。成魚は熱帯海域に多い。全長150cmに達する。体色は他のアジ科魚類同様に銀色だが、黒っぽくなることも多い。比較的体高が高く、背面に引っかき…

根は、海中社会

砂地やガレ場など平坦な海底にある、小高い岩礁やサンゴ礁を「根」という。きちんとした定義があるわけではないが、ダイバーの視点からすると、幅5m前後、高さ4m前後というのが大まかな大きさだ。こうした根は、条件が揃えば多様な生きものが集まり、よいダ…

ハタタテシノビハゼについて

ハゼ科のハタタテシノビハゼは全長約6cmで、屋久島以南の中・西部太平洋に分布している。サンゴ礁域の転石帯やガレ場などに、共生エビと生息している。最大の特徴は、背ビレの一部が長いことで、おろすと尾柄部に達する。 長い背ビレが特徴のハタタテシノビ…

ピースボートの旅(スペイン編)

5日夜にイタリアを出港し、次の寄港地スペイン・バルセロナに着いたのは7日早朝だった。夜出航予定。自由行動を選んで港周辺を散策した。 バルセロナの町 水族館があったので入場し、存分に楽しんだ。また、ヨットハーバーにはたくさんのヨットが係留されて…

ピースボートの船旅(イタリア編)

エジプト・ポートサイドを30日夜出航し、次の寄港地クロアチアに向け地中海を北西に進む。お正月を海の上で迎えるのは二度目だ。2日アドリア海のクロアチア・ドブロブニクに寄港し観光もしたが、雨だったためあまり写真が撮れなかった。「アドリア海の真珠」…

ピースボートの船旅(エジプト編)

98年12月19日夜にインド・ムンバイを出港し、インド洋を西へ。25日朝にエリトリア・マッサワ港に寄港。半日滞在したのち、紅海を北上した。28日にスエズ運河に入る。大型客船がすれ違うことができないほど狭いため、湾のようなところに入り、数隻の客船の通…

ピースボートの船旅(インド編)

船旅を通して国際交流や平和活動を行っているNGOのピースボート(PB)。これまで10回くらいゲストとして乗船しているが、多くは南の海を航海するときで、期間は2~3週間がほとんど。その中で、98年のクルーズは最も思い出深い。確か船会社の事情でいろいろ変…