大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ハコフグについて

ハコフグ科のハコフグは全長約25cmになり、北海道以南~屋久島、朝鮮半島南部、香港に分布している。80年代初めまではミナミハコフグと混同されていたため、分布があやふやだった。現在は琉球列島にはいないことになっているが、詳しい調査が必要とのこと。…

こんにちは赤ちゃん顛末記

昔『マリンダイビング』に「こんにちは赤ちゃん」という連載があった。体色や模様が異なる親子の、赤ちゃんに視点を当てたもの。スタートしたのは86年1月号で、第1回目を任された。いろいろな方に交代で執筆を依頼する予定なので、見本となる文体を考えて書…

海のパワースポット(奄美編)

奄美南部のダイビングポイントの大部分は大島海峡にある。加計呂麻島との間の海域で、入江も多い。数あるポイントの中でパワースポットといえるのは三角岩だ。海岸の断崖が三角に見えることでこの名が付いた。大島海峡の東側の出口近くに位置し、複雑な地形…

海のパワースポット(沖縄編)

いつの世も人気なのがパワースポット。そこにいるだけで気持ちが上向きになる場所のことで、神社やお寺、山、岩など、歴史的価値があるところが多い。もちろん感じ方は人それぞれ。海にもある。海の場合は、気に入った写真が撮れたり、貴重な生態が見られた…

セダカハナアイゴについて

アイゴ科アイゴ属のセダカハナアイゴは全長約35cmになり、紀伊半島以南の琉球列島、小笠原諸島、ニューカレドニアに分布する。80年代終りごろまで近似種のハナアイゴとされていた。しかし、体高が高いタイプは別種らしいと研究され、学名未確定のまま「セダ…

駒形橋からの撮影のこだわり

NHKの朝ドラ「おかえりモネ」。都会生活を始めた主人公モネの下宿先は、街並みからすると勝鬨(かちどき)付近のようだ。身近な場所が舞台だと、違和感を覚えることも。上京したモネが、水上バスから東京スカイツリーを眺めるシーン。おのぼりさんが一人で水…

最も目立たないキンチャクダイ

キンチャクダイ科アブラヤッコ属のチャイロヤッコは全長約7cmで、和歌山県以南の西部太平洋、インド洋に分布している。同属は臆病で動きが素早いことが特徴。そのうえ本種は生息数が少ないので、なおのこと撮影するのは困難といえる。体の色は青みがかった黒…

「敗戦」の日に想う

一般的には「終戦」だが、人ごとと感じてしまうので、戒めを込めて「敗戦」とした。 近所の横網町公園内に「東京都慰霊堂」がある。関東大震災や東京大空襲で犠牲になった身元不明者を安置している。前を通るたびに、もしかしたら自分もここで…と思いを馳せ…

ダイバーには人気のイソマグロ

サバ科は、人気食用魚が多く集まるグループ。サバ属、マグロ属、カツオ属、サワラ属など日本に9属21種が知られている。その中でイソマグロ属だけがあまり食用にされない。図鑑にも「水っぽくて美味しいとはいえない」とある。マグロと付き、同じようなエサを…

警戒心ゼロのオオスジヒメジ

ヒメジ科は下アゴからのびる2本のヒゲが特徴。日本にはヒメジ属、アカヒメジ属、ウミヒゴイ属の3属25種が生息している。ウミヒゴイ属のオオスジヒメジは全長約60cmに達するが、出会うのは40~50cmが多い。千葉県以南の太平洋、インド洋に広く分布している。…

富士山テーマの写真展

緊急事態宣言中で不要不急の外出自粛にもかかわらず、写真展を見に六本木へ行った。「不要不急」は人によって受け取り方はさまざま。この外出は、心の病を防ぐため必要だったのだ。何ごとも自分たちに都合よい解釈をするアベ・スガ政権をまねただけ。 東京ミ…

若い世代に注目されるフィルムカメラ

フィルムカメラからデジタルカメラに移行し始めたのは2000年ごろ。当初画質が悪かったが、徐々に画素数も増えて進化し、今や電話機(スマホ)でも鮮明に撮れる時代になった。ところが、そんなデジカメを見捨て(?)フィルムカメラにハマる若い女性が増えている…

黄色いもん同士で…

キイロハギやヘラルドコガネヤッコのように、全身黄色い魚がいる。その一方で、他の体色なのだが、黄色いタイプが現れる魚種も意外に多い。ヘラヤガラやマルクチヒメジ、カマスベラなどで、黄色くなるタイプを黄化個体という。今回は別種にもかかわらず、黄…