大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2015-12-01から1ヶ月間の記事一覧

主な出来事2015(下半期)

7月に西表島へ行った。なんと25年ぶりだ。港や建物などが大きく変わり、初めて行った島のような錯覚に陥った。海の日をまたいでいたため、お客さんはわりあい多かった。 スミレナガハナダイのオスの数に感動 といってもひとたび潜ればそんなことはすっかり忘…

主な出来事2015(上半期)

2015年もあとわずか。今年もさまざまなことがあった。仕事関連を中心に、印象深い出来事について順を追って振り返ってみたい。 さわやか自然百景新春番組 1月4日にNHK「さわやか自然百景新春特集」放送。「四季 日本の自然を感じる旅」と題して5名の旅人がそ…

フタイロハナゴイ

イザリウオ(現カエルアンコウ)は真鶴、クダゴンべは慶良間、トサヤッコなら八丈というように、最初に出会った魚はどこの海だったかを覚えている。印象深い魚はなおさらで、忘れることはない。 フタイロハナゴイのオス(慶良間) フタイロハナゴイは慶良間…

丸いイソギンチャク大集合

イソギンチャクが丸まっていることがよくある。水温が高い海域で見ることが多い。丸まる理由は定かではないが、画としておもしろいので見つけると必ず撮る。 体壁は紫(コモド) クマノミ類が住めるイソギンチャクは10数種あるにもかかわらず、丸くなるのは…

マバラシライトイソギンチャク

奄美大島南部を代表するダイビングポイントの嘉鉄(かてつ)は、白い砂地に根が点在している。コースから外れた広々とした砂底に、マバラシライトイソギンチャクがある。大きさはだいたい40cm。 マバラシライトイソギンチャク('14.4) そこに潜るとできるだ…

居候(いそうろう)と呼ばれて(3)

ハナハゼの近似種にはヒメユリハゼやイトマンクロユリハゼ、オグロクロユリハゼなど5~6種いる。しかしこれらは共生ハゼの巣穴ではなく、岩の隙間などに避難するので、居候とは言われない。 スミゾメハナハゼ(崎本部) だが、もう1種「居候」の「ハナハゼ」…

居候(いそうろう)と呼ばれて(2)

ハナハゼは富山県・千葉県以南の中・西部太平洋に分布する。しかし、奄美以南に分布するものは尾ビレ先端の糸状のものが2本しかない。 リュウキュウハナハゼ(奄美) そのことから地域変異の沖縄型とされていた。ところが約10年前に別種ということになり、よ…

居候(いそうろう)と呼ばれて(1)

ずいぶん昔に真鶴で見て、一目惚れした魚がいた。ハナハゼだ。妖艶で、近寄るとあっという間に姿を消してしまう。長い間美しい姿を捉えることができないでいた。 ハナハゼ。'90年撮影(大瀬崎) 観察をして習性を知り、そして撮影機材の進歩のお陰でようやく…

メバルがとんでもないことに…

釣りの雑誌『Fishing Cafe』52号が届いた。以前ロウニンアジ特集のときにかかわって以来、毎号送っていただいている。中に東海大学海洋科学博物館元館長・鈴木克美氏の連載「魚の不思議な生態学」もある。 鈴木氏の記事と雑誌の表紙 今号のタイトルは「メバ…

預けていた写真から(3)

ローライマリンで連続撮影したフィルムも預けてあった。'78年に撮影したもので、熱海・赤根崎(錦が浦の近く)の沖にピンクのスナイソギンチャクがあり、何度も通った。そこに住むアカホシカクレエビのクリーニングを受けに、いろいろな魚がやって来る。 イ…

預けていた写真から(2)

自分の写真をフィルムライブラリーに預ける場合、基本的にはNo.2を選ぶ。一番いいカットは手元に置いておきたいという心情が働くのだ。デュープ(複製)もできるが、デジタルと違って画質が劣ってしまう。 産卵上昇するアカテンモチノウオ そんなわけで預け…

預けていた写真から(1)

フィルムライブラリーに預けていた写真が返ってきた。フィルムライブラリーとは、契約写真家の写真を預かり、出版社や広告代理店などに貸し出す代行会社のこと。今はデータに替わったため、フィルムは不用になった。 返却されたポジフィルム 当然需要があり…

ピースボート船内見学会

ピースボートのスタッフから、船内見学会の案内をいただいていた。横浜大さん橋に停泊している「オーシャンドリーム号」に入れるというので日曜日に行った。この日は生憎の雨。 停泊中のオーシャンドリーム号 それでも大勢の見学者が訪れていた。これまで8回…

カイメンの中が大好きな魚たち(最終回)

熱帯海域に多いミズガメカイメンは、日本では南紀で見られるらしい。黒潮によって分布を広げたのだろう。南紀では見ていないが、八丈島のアーチで有名なポイントの旧八重根港にあった。 ミギマキ ミズガメカイメンの中には、いかにも伊豆諸島代表という魚が…

カイメンの中が大好きな魚たち(3)

沖縄や奄美には魚が入れるカイメンは少ないようで、見た覚えがあまりない。一方、九州以北の温帯域にはワタトリカイメンやザラカイメンがあり、魚がよく入っている。 イソカサゴ 以前、伊豆大島に通った時期があり、そのときはほとんどのワタトリカイメンに…

カイメンの中が大好きな魚たち(2)

カイメンの中に入っていることが多い魚は、海域によって異なる。インドネシアのコモド諸島では、タテジマキンチャクダイが意外に多かった。 タテジマキンチャクダイ(コモド) 入る理由はわからないが、写真がずいぶんあるのでカイメンの中が大好きなのは間…

カイメンの中が大好きな魚たち(1)

見つけたら必ず撮る、というものがいくつかある。その一つがカイメンに魚が入っている場面。カイメンにもいろいろな種類、形状があり、魚が入れるのはカップ状や壺状などのタイプ。 アヤコショウダイ(コモド) インドネシアを含む熱帯海域に多いのが壺状の…

今年も…「うみまーるカレンダー」

毎年この時期になると、カレンダーが届く。「うみまーる企画」さんからだ。「うみまーる」とは、沖縄・座間味島を中心にエネルギッシュに活動している、二人の自然写真家ユニット。 「海と空の出会う場所」 今回送っていただいたカレンダーは5種類で、それぞ…

外国産アマダレドクハタ

今回もシガテラ毒魚。見慣れないこのハタはスジアラ属の一種。英名でバーミキュラーコーラルコッドとかハイフィンコーラルトラウト、ブルーラインドコーラルトラウトなどといい、インドネシアやフィリピン、パプアニューギニアなど熱帯海域に分布している。 …

シガテラ毒をもつ代表魚

有毒の魚といえば、すぐに思い浮かぶのはフグだ。しかしフグを調理するには免許がいるので、実際には中毒は起きにくい。釣りなどで漁獲した魚を自分たちで料理し、中毒するケースのほうがよく起きているようだ。 有毒魚に関する書物 その多くはシガテラ毒。…