大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

十五夜にちなんで

きょうは十五夜。旧暦の8月15日が十五夜に当たり、中秋の名月と称される。たまたま今日は満月だが、必ずしもそうではなく、ずれることもあるようだ。それはともかく、十五夜にちなんで「ツキ」が付く魚を取り上げてみよう。 まずはツキチョウチョウウオ。体…

ツユベラとその近縁種について

ベラ科カンムリベラ属のツユベラは、全長約30cmになる。相模湾以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。幼魚は赤い体に白の斑紋があり、観賞魚として人気が高い。成長とともに体色・斑紋は変化するうえ、メスからオスに性転換するため、体色変化は著…

ほぼ日本固有種のハゼ

ハゼ科キヌバリ属のニシキハゼ、リュウグウハゼ、チャガラ、キヌバリの4種は、北海道または青森から九州にかけて分布している。日本固有種と思いきや、朝鮮半島南部にも分布しているため、惜しくも固有種ではない。 ニシキハゼは全長約20cmになり、転石帯な…

敬老の日スペシャル

敬老の日ということで、長寿魚に登場願おう。平たくいえば老成魚だが、厳しい自然の中で長く生き続けることだけでも大変なので、敬意を表したい。 まずはハマクマノミ。幼魚期は白帯が3本あり、成長に伴って尾に近いほうから消える。最後の顔の白帯が消えた…

徳島の海とテンジクザメ

9/17のNHK「さわやか自然百景」は徳島・宍喰の海だった。黒潮の分流の影響でイシサンゴ類も多く、特にシコロサンゴがよく見られる。当然、熱帯系の魚類も多い。 9月17日の「さわやか自然百景」のタイトル また、この海には特徴的なことが知られている。ある…

超珍しいウミタナゴの生態

ウミタナゴ科のウミタナゴは全長約23cm(30cmの記録あり)になり、北海道中部以南九州、朝鮮半島南部、中国沿岸に分布している。藻場や岩礁域、砂地などに単独から数10尾の群れで行動している。以前から体色が若干異なるタイプが存在することが知られていた…

ルリスズメダイの地域変異

スズメダイ科のルリスズメダイは全長約7cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋に分布している。主な生息場所はサンゴ礁の浅瀬で、九州以北で見られるものは幼魚と思われる。オスは全体が青で、目のところに黒いスジが入っている。ソラスズメダイと混同されるこ…

クロハコフグの生態(その2)

クロハコフグの繁殖期は5月中旬~7月。繁殖期以外は行動自体活発ではないため、ほとんどわかっていない。繁殖期になるとオスはサンゴ礁と砂地の境界付近を縄張りにし、16時過ぎから中層に浮かんでパトロールする。同種のオスの侵入を防ぐためと、縄張り内の…

クロハコフグの生態(その1)

ハコフグ科のクロハコフグは全長約16cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋、インド洋に分布している。主な生息域はサンゴ礁で、九州以北で見られるのは幼魚と思われる。体色はオスとメスで異なり、メスは黒褐色の地に白点が全体にある。とても警戒心が強く、…

関東大震災 100年

きょうで関東大震災発生からちょうど100年。節目の年とあって、各テレビ局では関連番組を放送している。また、当時の少ないデータを最新技術でわかりやすく視覚化する研究も行われている。津波がその1例で、相模湾で発生した津波をシュミレーションした映像…