大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2019年を振り返って(下半期)

コモド諸島ダイブクルーズは9月に行くことが多いのだが、今年は事情で7月にした。7月は初めてなのでそのせいなのかはわからないが、南エリアの水温はかなり低く、お客がボイコット。また2クルーズ目は南リアに行ったものの強風で潜れず、すぐ引き返すハメに…

2019年を振り返って(上半期)

今年も残りわずか。そこで今年の出来事を振り返ってみる。いろいろなことがありすぎたので、ダイビング、写真、魚などに関するものに限定した。2月、西表島のダイブサービス・ヤノ主催「ヤノ2月会」に出席した。常連さんおよび矢野氏と交流があるカメラマン…

稀種の宝庫・お花畑

座間味にお花畑というダイビングポイントがある。平坦な海底にウミトサカの仲間が群生しているのでこの名が付いた。座間味島と嘉比島の間の海峡にあり、潮の干満のとき強い流れになる。そのような環境からか、珍しい魚がたくさん見つかっている。お花畑の海…

青ベラ・赤ベラ

ベラ科のキュウセンは、北海道から九州までの沿岸、朝鮮半島や台湾などに分布する。全長は約25cmに達する。西日本では食用にされ、体色からオスを「青ベラ」メスを「赤ベラ」と呼ぶ。青ベラことオスのキュウセン(大瀬崎) 体側に赤茶色のラインが入っている…

北枕

古くから仏教では、死者の頭を北に向ける習わしがある。そのため、枕を北に向けて寝るのは縁起が悪いとされている。魚にはそのままズバリの「北枕」がいる。フグ科のキタマクラだ。有毒なので、食すと「北枕」になると警告の意味で付けたのだろう。全長約15c…

ヒバシとノコギリ

ヨウジウオ科魚類は、二つのタイプに分けることができる。浮遊するタイプと海底を這うタイプだ。前者はオイランヨウジやヒバシヨウジ、後者はイシヨウジやオビイシヨウジなどが有名。ヒバシヨウジ属のヒバシヨウジは全長約6cmで、主にサンゴ礁域に生息する。…

発光器を持つヒカリキンメダイ

15日のNHK「ダーウィンが来た!」は、発光する生きものの特集だった。いろいろな生きものが出てきたが、特に興味深かかったのがヒカリキンメダイ。フィリピンの海中で撮影したとか。発光するヒカリキンメダイの仲間「ダーウィンが来た!」より 番組ではヒカ…

砂模様さまざま

砂漠や砂丘、砂浜にできる美しい風紋。いうまでもなく風がつくる模様だ。海の中にも砂底に模様ができることがある。主な要因は波によるものなので、浅いほうができやすい。勝手に「砂紋」といっていたが、そういう言葉はないらしい。大波によってできた模様…

超撮りやすい魚・イラ

ベラ科のイラは温帯域に生息し、約45cmに達する。警戒心が少なく、かなり接近してくるのでとても撮りやすい。特に高知県の柏島周辺では生息数も多いので、1回潜っただけでかなり写真を撮ってしまうハメになる。ウミトサカのそばに来るイラ(高知県大月・一切…

突然現れる回遊魚は何?

サンゴ礁域でダイビングしていると、突然回遊魚が現れることがある。カスミアジやツムブリならすぐわかるが、見かけないものもいる。「一体何?」と思いつつ咄嗟にレンズを向ける。後で図鑑と照らし合わせるのも楽しい。アジ科のミナミイケカツオ(タイ・カ…

メジナについて

メジナ科はメジナ、クロメジナ、オキナメジナの3種が日本に分布している。この中でメジナが最も一般的といえる。磯釣りの対象魚で、特に関西では人気がある。成長すると約70cmになるメジナ(佐渡) 北海道以南、九州の磯に生息し、国外では済州島や台湾にも…

元ササノハベラ(2)

1997年にササノハベラが2種に分かれたのは先述のとおり。もう1種、外洋型といわれたものはアカササノハベラという和名が付けられた。和名だけでなく、学名も変わった。既存種(1846年記載)と同じと判明したのだ。本種の特徴は、オス・メスとも背面に白点は…

元ササノハベラ(1)

現在ベラ科ササノハベラ属は、ホシササノハベラとアカササノハベラの2種。だが、以前はどちらも「ササノハベラ」だった。そこで、両種の生態といきさつを取り上げてみたい。20数年前、ササノハベラは生息環境による色彩変異が知られていた。内湾型と外洋型だ…