大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

元ササノハベラ(2)

1997年にササノハベラが2種に分かれたのは先述のとおり。もう1種、外洋型といわれたものはアカササノハベラという和名が付けられた。和名だけでなく、学名も変わった。既存種(1846年記載)と同じと判明したのだ。本種の特徴は、オス・メスとも背面に白点はない。
ホンソメワケベラと外洋型のササノハベラ(真鶴)

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分布はホシササノハベラとほぼ同じだが、琉球列島にも分布しているらしい。だが、奄美でも沖縄でも見たことはない。
カニをくわえたアカササノハベラ(富戸)

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オスは体の後部が黄色で、前部は赤みを帯びる。しかし体色変化は著しい。メスはホシササノハベラのメスとよく似ていて赤っぽいが、背面に白の斑点はない。2種に分かれる前は、アカササノハベラがオスで、ホシササノハベラのオスがメスとされていた。
ウツボに近寄るオス(富戸)

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繁殖生態もホシササノハベラとほぼ同じだが、行動域が広いので、テリトリー全体を把握するのは困難だ。
活発に泳ぎ回るオス(大瀬崎)

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