大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

理由は? ホウセキキントキの体色変化

大部分の魚は体色を変えることができる。感情の変化や生息環境に合わせたりするためだ。中でもホウセキキントキの体色変化は著しい。通常は真っ赤なので、風景の中に入れて撮るとよいアクセントになる。岩陰など暗いところにいることが多く、警戒心も少ない…

ハナビラクマノミ繁栄の謎

日本に分布するクマノミ類の中で、クマノミに次いで生息数が多いのはハナビラクマノミ。最近かなり繁栄している。繁殖行動は他種と変わらないのに、いったいどうしてだろうか。その秘密はイソギンチャクの「乗っ取り」にある。 乗っ取ったハナビラクマノミ(…

グルクマの素顔

口を大きく開けた魚群が、表層を素早く通り過ぎることがある。サバ科のグルクマだ。約40cmになる。西部太平洋の熱帯・亜熱帯域に分布していて、日本で見られるのは南西諸島。口を開けて泳ぐのはプランクトンを捕食するためだが、しょっちゅう開けているので…

ピグミーシーホースの体色

タツノオトシゴの仲間のピグミーシーホースは、1970年に新種記載された。大きさは1~2cmしかなくとても小さいうえ、住み場所のヤギ類とよく似ているため、見つけにくい。日本では1990年代後半に、沖縄などで生息が確認された。ピグミーシーホース(2000年、…

野生生物写真コンテスト2019

ロンドン自然史博物館が選ぶ「ワイルドライフ・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー2019」が発表された。今年で55回を数える歴史ある野生生物写真コンテストで、「行動」「フォトジャーナリズム」など19部門がある。今年の大賞は「その瞬間」と題した中国人…

なぜ和名が? イナズマヤッコ

キンチャクダイ科のイナズマヤッコは、フィリピン以南の西部太平洋に分布している。全長約25cm。警戒心が強いため、撮影するのは難しい。最初に出会ったのはパラオ。素早く逃げるのをニコノスで何とか撮った。28年前のことだ。イナズマヤッコ(パラオ) それ…

スミツキベラの思い出

幼魚と成魚の体色・斑紋が異なる場合がよくある。キンチャクダイ科やベラ科、スズメダイ科に多い。ベラ科タキベラ属のスミツキベラも極端だ。幼魚は黒い体に白の斑点がある。岩陰や物陰など、暗いところにいる。約3cmのスミツキベラの幼魚(座間味) 成長す…

へんな魚

「変なホテル」という名前のホテルがある。先進技術を導入し、心地よさを追求したロボットホテルで、顔認識で入室できるそうだ。「変」には「変化しつづける」という意味があるとか。最近浅草にも「変なホテル」がオープンした。それにちなんで、へんな魚を…

ハナツノハギとの出会い

20年前、フィリピン・セブ島の砂泥底で見慣れぬハギに出会った。図鑑で調べたらハナツノハギという和名。カワハギ科だ。大きさは約18cmで、サンゴ礁域の砂泥底や入江に生息するようだが、日本では見たことがなかった。ハナツノハギのペア(セブ) それから7…

大型フグ それぞれの特徴

ダイビングでよく見られる大型のフグは、モヨウフグとケショウフグ。大きさは70~80cmにもなる。単独で行動し、海底で休んでいることもある。もう1種アラレフグも大型になるが、日本での生息数は少ない。それぞれ目の周囲の模様に特徴がある。モヨウフグ(奄…

パジャマを着た魚

テンジクダイ科のマンジュウイシモチは、奄美諸島以南の太平洋、インド洋に分布している。全長は約6cm。独特な体色・斑紋をしているため、観賞魚としても人気が高い。英名はパジャマカーディナルフィッシュ。言い得て妙。 マンジュウイシモチ(ラジャアンパ…

メガネとナミダ

ニザダイ科にメガネクロハギとナミダクロハギがいる。大きさは約20cmで藻食性。主にサンゴ礁域に生息している。両種とも体の色は濃い茶色だが、目の下にある白い模様の形が異なっている。 偶然一緒になった。右がメガネクロハギ(石垣) 90年代初めごろまで…