大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

タテジマヤッコ属に惹かれるワケ(最終回)

海外でタテジマヤッコ属の撮影をしたのは、紅海が最初だったと記憶している。'85年のことで、ヤイトヤッコのオスに似ていると感じた。 ゼブラエンゼルフィッシュのオス 英名はゼブラエンゼルフィッシュ。紅海固有種と思っていたが、あとで調べたらアフリカの…

タテジマヤッコ属に惹かれるワケ(4)

ヒレナガヤッコの分布は少し変わっている。奄美以南~中部太平洋、オーストラリア東部が分布域なのだが、なぜかフィリピンやボルネオ島、ニューギニア島、インドネシアの島々が抜けている。 ヒレナガヤッコのメス(ニューカレドア) ヒレナガヤッコは'60年代…

タテジマヤッコ属に惹かれるワケ(3)

慶良間諸島ではヤイトヤッコをあまり見た覚えがない。だから奄美大島で出会ったときは少々驚いた。その後伊江島や水納島でも撮影できた。 ヤイトヤッコのオス(水納島) もともと日本には生息数はそう多くない。それでも伊江島では比較的よく見られる。 トサ…

タテジマヤッコ属に惹かれるワケ(2)

日本に分布するタテジマヤッコ属はタテジマヤッコ、トサヤッコ、ヤイトヤッコ、ヒレナガヤッコ、ミズタマヤッコの5種。小笠原固有のミズタマヤッコ以外は、沖縄などの南西諸島にも生息している。 トサヤッコのメス(奄美) トサヤッコは八丈島付近が最も多い…

タテジマヤッコ属に惹かれるワケ(1)

キンチャクダイ科タテジマヤッコ属に惹かれている。生態的にわりあいおもしろいからだ。例えばオスとメスで体色・斑紋が異なっていたり、1尾のオスが複数のメスを支配するハレムを形成するため、さまざまな行動が観察できる。 タテジマヤッコ(慶良間) ハレ…

イッポンテグリの和名の由来

ネズッポ科のイッポンテグリ。初めてこの名を知ったのは'90年ごろ。沖縄に移住した知り合いから「イッポンテグリを撮影した」と聞いたが、どんな魚か知らなかった。 イッポンテグリ(マブール) 調べたら内湾の砂泥底に生息すること、日本では比較的珍しいと…

『マリンダイビング』600号記念特大号

月刊『マリンダイビング』が600号を迎えた。創刊は1969年なので、46年経ったことになる。創刊号(写真右)はB5版で60ページと今より小さくて薄かった。 『マリンダイビング』最新号と創刊号 とはいえ、ダイビング関連の情報が皆無に等しかった時代だったので…

ロクセンヤッコ今昔

キンチャクダイ科サザナミヤッコ属は、同科では最も大型になるタイプ。日本では4種見られる。中でもタテジマキンチャクダイとサザナミヤッコはわりあい多く、沖縄や奄美では普通種とされる。 パラオのロクセンヤッコ('89年) ロクセンヤッコもいるが、警戒…

コブダイ大人気!?

先日、ネットのニュースで「コブダイ」が人気とあった。福井県若狭町の漁師が釣り上げた約80cmのコブダイ。同県海浜自然センターに展示したところ、頭の大きなコブがユニークで、来館者の注目を集めているという。 ネットのニュース画面から 「幼魚期の段階…