大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

タテジマヤッコ属に惹かれるワケ(最終回)

海外でタテジマヤッコ属の撮影をしたのは、紅海が最初だったと記憶している。'85年のことで、ヤイトヤッコのオスに似ていると感じた。


ゼブラエンゼルフィッシュのオス

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英名はゼブラエンゼルフィッシュ。紅海固有種と思っていたが、あとで調べたらアフリカの東岸全域およびモーリシャスにも分布することがわかった。










ゼブラエンゼルフィッシュのメス                                               

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その後紅海には2回行っているが、どのときのダイビングでもよく見られたので、生息数は多いようだ。











オスがよく行う求愛のポーズ
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わりあい平坦な海底に生息していることもちょっと驚いた。オスはメスのそばに行っては頻繁にアピールする姿が見られた。











ハーフバンデッドエンゼルフィッシュのオス
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'01年にオーストラリアのロードハウ島に固有のクマノミの撮影に行った。この島はオーストラリア本土から東に600km沖合にあり、タテジマヤッコ属のハーフバンデッドエンゼルフィッシュがいる。分布は狭く、ロードハウとさらに東の諸島(地図の紫の部分)のみ。オスは浮遊しているので、近づくのが難しかったのを覚えている。






オスとかなり体色・斑紋が異なるメス
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メスは海底近くを行動するためか、体色が周囲に溶け込む保護色になっている。タテジマヤッコ属は本種のように、大洋島など隔離された海域にのみ生息するものもいる。南鳥島で発見され、'97年に新種記載されたミズタマヤッコ(現在は小笠原諸島にも生息)がその代表で、ぜひ見てみたいものだ。