大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

のんびり魚を見る旅・柏島(1)

奄美に続いて柏島に行った。Kさんと松山で合流し、宇和島経由で柏島に到着したのは22時を少し回ったころ。今回お世話になるダイビングサービス・アクアスで打ち合わせ。 養殖が盛んな柏島 アクアスのオーナー兼ガイドのまっちゃんこと松野氏は、小さな生きも…

のんびり魚を見る旅・奄美(3)

5mくらい離れて撮影していたKさんが連写していた。何だろうと近づくと、ヒメオニオコゼだった。 近寄ってもまだ撮り続けるKさん さほど珍しい魚ではないが、胸ビレを開いたまま閉じない。胸ビレを開くのは威嚇のためだ。ストロボ光を浴びすぎたので、怒りが…

のんびり魚を見る旅・奄美(2)

この時期に繁殖行動が見られる代表的な生きものはコブシメ。先月下旬あたりから産卵が行われていたようだ。 産卵に現れた2匹のコブシメ 今回もポイントに行ったら2匹のメスが産卵にやって来ていた。いつもは右側に見えるウスサザナミサンゴに産むのだが、す…

のんびり魚を見る旅・奄美(1)

ダイビング初日(17日)の朝、雨が降りだしたけれども、しばらくして晴れ。海も穏やか。1本目は嘉鉄(かてつ)に向かう。最も気になるアマミホシゾラフグに会いに行く。 嘉鉄に向かう。ネクサス大集合 ボートにはKさんのカメラと合わせると5台。レトロなスト…

久しぶりの海

冬から春にかけて催し物が多かったため、海から遠ざかっていた。そろそろと思っていたときにタイミングよく、ハウジングメーカー社長のKさんから誘いがあった。 奄美・嘉鉄の海。晴れると美しい('13年7月) Kさんとは伊豆大島や柏島、錦江湾、奄美大島など…

オグロベラ属(3)

『日本の海水魚』(山と渓谷社)が発刊されたのは'97年。この時点ではオグロベラ属はたった2種だった。その後2種増えて、現在は4種になった。そのひとつがアオスジオグロベラだ。 アオスジオグロベラ('99年、セブ) このベラは'00年にインドネシアのアロー…

オグロベラ属(2)

オトヒメベラの日本での分布は、伊豆半島から紀伊半島。沖縄などのサンゴ礁域では見られない。 オトヒメベラのオス(伊豆大島) 最初にオトヒメベラを見たのは伊豆大島だった。その後東伊豆の富戸で何度か出会っている。 模様が変わり始めたメス(富戸) オ…

水中映像祭を見て

第32回水中映像祭が4月11日江東区文化センターで開催された。 水中映像祭の案内状 主催は水中映像サークルで、発起人の一人だったことから、東京にいれば必ず見るようにしている。 実行委員長の挨拶 小雨が降っていたために出足は鈍ったものの、開始するころ…

オグロベラ属(1)

オグロベラ属のオグロベラを初めて見たのは1984年1月で、そのときのことはよく覚えている。場所は座間味島で、水深10m付近で撮影中にきれいなベラが目の前に現れた。 最初に撮影したオグロベラ とっさにシャッターを押した。見慣れないベラは、オグロベラだ…

シモフリタナバタウオとアーグスコメット

先月、フィリピン在住の知人Kさんのブログに、興味深い情報が載っていた。シモフリタナバタウオが2種に分かれたというのだ。 シモフリタナバタウオ 海外のシモフリタナバタウオは模様が違っていることは知っていたが、地域変異だと思っていた。2種に分かれた…

きれいな産卵床をつくる魚(2)

スズメダイ科で大きめの産卵床をつくるのは、知る限り3種のみ。オキスズメダイは小さな岩がある砂地に、直径約1.5mの窪みをつくる。 オキスズメダイの産卵床(奄美) 深さは30cmくらいだろうか。そして砂の中からたくさん現れた石の中からいくつかを選んで産…

きれいな産卵床をつくる魚(1)

いよいよ「ミステリーサークル」をつくるアマミホシゾラフグの季節到来。つまり繁殖期に入るわけで、ミステリーサークルは産卵床(さんらんしょう)なのだ。 アマミホシゾラフグ別個体の産卵床(奄美) 産卵床とは産卵する場所のことだが、多くの魚は岩や死…

最近届いた書籍

今週に入って本や冊子が3冊届いた。一つはNewton別冊『ふしぎ動物図鑑』。 Newton別冊『ふしぎ動物図鑑』 '13年11月号のNewtonに「ミステリーサークル」の写真と文が6頁掲載されたが、別冊にも流用したいとかねてより話があり、それが4月に発売になる。 ミス…