大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

オグロベラ属(1)

オグロベラ属のオグロベラを初めて見たのは19841月で、そのときのことはよく覚えている。場所は座間味島で、水深10m付近で撮影中にきれいなベラが目の前に現れた。



最初に撮影したオグロベラ

イメージ 1

とっさにシャッターを押した。見慣れないベラは、オグロベラだとわかった。そのときの写真は、'87年に発刊された山と渓谷社の『世界の海水魚』(益田一、GR・アレン共著)に使われた。









オグロベラのオスとメス
イメージ 2

オグロベラはその名のとおり、尾ビレに黒い斑紋がある。ただし当てはまるのはオスだけで、メスは別種のような色をしている。ピンクや赤、赤紫などで、個体によって色合いが多少異なる。









オスもメスも行動域は転石帯
イメージ 3

生息場所はガレ場や転石帯で、きれいなサンゴ礁には出現しない。オスとメスが一緒にいることも多いのが本種の特徴ともいえる。また、動きは素早いけれども、それほど警戒心は強くないので撮影はしやすい。









性転換中と思われる個体
イメージ 4

本種はおそらく性転換すると思われる。その証拠ともいえる個体を伊豆大島で見たことがある。











体色を変えたオグロベラ
イメージ 5

昔、座間味島のお花畑というポイントで、オグロベラがじっとしているのを見つけた。体色が黒ずんでいたので、しばらく観察しながら撮影した。そばにサンゴの触手が見えることから、そこに住むカクレエビにクリーニングされていたようだ。