大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

シモフリタナバタウオとアーグスコメット

先月、フィリピン在住の知人Kさんのブログに、興味深い情報が載っていた。シモフリタナバタウオ2種に分かれたというのだ。


シモフリタナバタウオ
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海外のシモフリタナバタウオは模様が違っていることは知っていたが、地域変異だと思っていた。2種に分かれたのならどちらかが新種なのでKさんに尋ねたら、昔から分かれていたのだが、混同されていたという返事だった。








アーグスコメット(フィリピン・セブ島
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シモフリタナバタウオは英名でコメットだが、海外に分布するほうはアーグスコメットという名。ちなみに日本には分布しない。Kさんの説明ではアーグスコメットは1930年に新種記載されているという。それにもかかわらず混同されていたのはどうしてだろう。







図鑑とコメットのページ
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一つは図鑑にある。『SOUTHEAST  ASIA  FISH  GUIDE』ではアーグスコメットはシノニム(同種異名)の扱いで、コメットとして載せている。こうしたこともあって、多くの方が混同していたようだ。もし日本に分布していればもう少しきちんとしていたのかもしれない。







シモフリタナバタウオの尾とハナビラウツボ
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それはともかく、シモフリタナバタウオは尾だけ穴から出していることがある。そのことからハナビラウツボに擬態していると考えられているが、疑問もある。全身を隠したほうが安全なのに、なぜ尾は隠さないのか。また、ハナビラウツボは垂直に顔を出していることが多い。







シモフリタナバタウオに擬態?
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あるとき、ハナビラウツボが尾だけ出していた。まさかシモフリタナバタウオに擬態しているわけではないだろう。