#生物学
魚類ならではの行動がある。別種の魚がピタリと寄り添って泳ぐ「併泳」だ。どちらかにメリットがあるものと思われるが、詳しいことは知られていない。併泳で最も多い組み合わせは、ヒメジ類とベラ類だ。ヒゲで海底を探るヒメジ類のおこぼれが目当てなのだろ…
ハゼ科ミジンベニハゼ属は世界に7種、日本に3種(ミジンベニハゼ、ナカモトイロワケハゼ、イレズミミジンベニハゼ)分布している。いずれも全長約2~3cmと小さい。同属は内湾の砂地に生息することが特徴で、産卵には空缶や空瓶、貝殻などを利用する傾向があ…
最近、何人もの知り合いがテレビに出た。 今年はテレビ放送開始70周年ということで、NHKと日本テレビがコラボ番組を放送している。その一つが「THE鉄腕・ダーウィン」だ。「鉄腕DASH」が撮影を続けている横浜のDASH海岸にNHKの「ダーウィンが来た!」取材班…
ヨウジウオ科イシヨウジ属は、日本に4種分布している。イシヨウジ、クチナガイシヨウジ、オビイシヨウジ、キシマイシヨウジだ。いずれも全長は12cm前後で、サンゴや岩の上を這うように移動する。4種の中で日本初記録が最も遅いのがキシマイシヨウジで、80年…
3月12日(日)午前7時45分からのNHK「さわやか自然百景」は、「神奈川 真鶴半島の海」。毎回見ているが、海は久々だった。まずウツボが出てきて、ソリハシコモンエビがクリーニング。なかなかマニアックなシーンといえる。 ウツボがクリーニングされるシーン…
3日からO美術館で開催していた写真展「海で逢いたい」東京展が、8日無事終了した。行動制限が緩和された関係で、大勢の方々がお見えになり、昨年と比較しても見通しは明るいと感じた。 土・日はたくさんの入場者が 今回はマンタをクリーニングするミゾレチョ…
いよいよ本日(3月3日)より「海で逢いたい」東京展が始まった。出展数は約60点で、通常よりは少なめだが、行動制限が長かった状況を考えるとまずまずの点数だと思う。そのうえ東京展では、イラストやアクセサリー、陶器などの展示も行っているので、見ごた…
クリーニングフィッシュとしてよく知られているのは、ベラ科ソメワケベラ属のホンソメワケベラ。同属にスミツキソメワケベラがいる。全長約7cmで、胸ビレの下にある黒斑が特徴。慶良間諸島以南の西部太平洋に分布するが、日本にはきわめて少ない。 あくびを…
シーアップルという生物がいる。丸い形をしていて、大きさは10数cm。色は赤が基本のようだが、バリエーションは豊富。上部からフサフサの触手が現れることもあり、これでプランクトンを付着させる。ここまで読んで、これがナマコの仲間だと思う人はまずいな…
サンゴ礁域で出会えるウミガメは、アオウミガメかタイマイがほとんんど。これらのウミガメと関わる魚もいる。そんな魚たちを取り上げてみよう。まずはコバンザメ。アオウミガメに付くことがあり、その理由は寄生虫を食べるためとの説もあるが、定かではない…
スズメダイ科のニセクラカオスズメダイは全長約10cmで、八重山諸島以南の西部太平洋に分布している。クラカオスズメダイと似ているものの、本種には縞模様がない。日本の図鑑に初めて載ったのは1984年発刊の『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)で、八重…
タカサゴ科のササムロは全長約30cmになり、奄美および八丈以南の西部太平洋、インド洋に分布する。同科のタカサゴとよく似ていることから、混同されやすい。そのため、知名度は低い。 ササムリ(コモド) 両種の外見的な違いは尾ビレで、タカサゴは上下の先…
ハオコゼ科のハオコゼは全長約10cmになり、本州中部以南、朝鮮半島南部に分布している。浅瀬の岩場や藻場に生息する。特徴は背ビレで、前のほうの数本のトゲが長い。このトゲには毒がある。体色は赤味がある茶色で、その中に複雑で保護色効果のある斑紋が入…
ディズニー映画の「ファインディング・ニモ」が大ヒットしたのは20年前。当時カクレクマノミは魚類一の人気者に。正確には、イースタンクラウンアネモネフィッシュという近縁種だが。両種は背ビレのトゲの数が違うため別種になっているものの、外見では区別…
モンガラカワハギ科のツマジロモンガラは全長約25cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。生息域はサンゴ礁域で、九州以北で見られるのは幼魚や若魚と思われる。体色は茶色だが、個体によって微妙に異なる。最大の特徴は、尾ビレの先端…
水中写真を使った年賀状を紹介するのが恒例になっている。今年は11通と例年に比べると少なくなった。やはり海外に行けない事情があったので、しかたがないだろう。 今年いただいた水中写真の年賀状 11通の中から気に入ったものを選んでみた。選ぶ基準は、撮…
アジ科のコガネアジは全長約40cmになり、琉球列島以南の西部太平洋、インド洋、紅海に分布している。主にサンゴ礁域に生息し、単独~数尾のグループで行動している。日本ではあまり見られない。体色は銀色で、体側に黄色の斑点がある。和名は黄色い個体が多…
うさぎにちなんだ海のいきものは、ウミウサギガイかラビットフィッシュしか思い浮かばなかった。ラビットフィッシュはアイゴ類のことだ。ところが、うさぎを連想させる海のいきものを集め、特別企画展を新江ノ島水族館で開催というニュースを見た。それには…
アジ科のロウニンアジは、茨城県以南の太平洋、インド洋に分布している。ただし九州以北で見られるのは主に幼魚。成魚は熱帯海域に多い。全長150cmに達する。体色は他のアジ科魚類同様に銀色だが、黒っぽくなることも多い。比較的体高が高く、背面に引っかき…
砂地やガレ場など平坦な海底にある、小高い岩礁やサンゴ礁を「根」という。きちんとした定義があるわけではないが、ダイバーの視点からすると、幅5m前後、高さ4m前後というのが大まかな大きさだ。こうした根は、条件が揃えば多様な生きものが集まり、よいダ…
ハゼ科のハタタテシノビハゼは全長約6cmで、屋久島以南の中・西部太平洋に分布している。サンゴ礁域の転石帯やガレ場などに、共生エビと生息している。最大の特徴は、背ビレの一部が長いことで、おろすと尾柄部に達する。 長い背ビレが特徴のハタタテシノビ…
タツノイトコの仲間の中で特に小型のものをピグミーシーホースという。数種いるので、それぞれ頭に種小名を付けて区別することが多い。最も有名なのがこのバージバンティ・ピグミーシーホースだ。ニューカレドニア産の標本を基に1970年に新種記載された。大…
写真家・星野道夫生誕70年を記念し、東京都写真美術館にて開催中の写真展「悠久の時を旅する」。11/19に見に行ったが、会場は撮影禁止だったので、取り上げるつもりはなかった。 「星野道夫 悠久の得を旅する」のチラシ ところが、22日にNHK NEWS「おはよう…
ヘラヤガラ科のヘラヤガラは相模湾以南の太平洋、インド洋に広く分布している。ダイビングで見かけるものは、全長70cm前後のものが多い。普通種にもかかわらず、生態はあまり知られていない。肉食性で、小魚や小型甲殻類が主食だが、生きているものしか食べ…
きょう11月16日は語呂合わせで「いい色の日」だそうだ。というワケで、いい色の画像を集めてみたい。とはいえ、「いい色」のきちんとした定義はないので、各自の好みということになるのだろう。 座間味島がある慶良間諸島の海はきれいで有名。したがって「ケ…
関西を中心に女性だけで結成された水中写真倶楽部「あでやっこ」。今年で29年目になる。当初より写真展を開催していたが、神戸淡路大震災の年と、コロナ禍の20年、21年の計3回中止になったため、数が合わない。 それはさておき、写真展が3年ぶりに11月10日~…
今日11月11日は「チンアナゴの日」。というワケで、チンアナゴを。5年前の「ダーウィンが来た!」でチンアナゴを撮影した、まさに同じポイントで狙ってみた。流れがあったせいか、体をかなり出してプランクトンを食べていた。数も増えた感じだ。 チンアナゴ …
本当に久しぶりにダイビングした。それも沖縄・座間味島で。ダイビング自体は2年ぶりだが、座間味は2017年「ダーウィンが来た!」のチンアナゴのロケ以来なので、ナント5年ぶりになる。そのため、建物が増えて風景が変わっていた。長年訪れなかったにもかか…
砂地に生息するのはヒラメやカレイという印象だが、そうとは限らない。体に砂をかぶり、目と口だけ出している魚も多い。外敵やエサとする小魚に気づかれないようにするためだ。砂地を移動しているとき、そのような魚を見つけると、やったーという気持ちにな…
10/27のNHK「あさイチ」で不定期のコーナー「愛でたいnippon」があり、高知県特集だった。その中で、ウツボ料理が紹介されていた。多くの方はウツボを食べる習慣はないと思うが、高知では昔から食べられていて、特に冬季が旬だそうだ。 高知の一部の地域で食…