大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

テレビでトラウツボの産卵

9/17(火)NHKのニュース番組「おはよう日本」で、トラウツボの産卵が流れた。途中から見たのだが、鹿児島県のダイビングショップのガイドが観察を続けて産卵日を予測。そしてNHK鹿児島の潜水取材班が撮影したというもの。

ダイビンングガイドの松田康司氏

 

それまで観察を続けていた松田氏は、特定のポイントに数種のウツボ類のペアを確認。近いうちに産卵するのではと予測し、NHKに知らせたという。

松田氏が描いた観察データの見取り図

 

産卵当日、トラウツボのペアは岩の下にいたのを確認。産卵は夜のため、それまで陸上で待機することに。

産卵日の昼間のトラウツボペア

 

夜は刺激を与えにくい赤いライトで動きを待つ。すると岩からペアが出てきてすぐに急上昇し、体を絡め合うようにして放卵・放精を行い、素早く海底に戻った。

それからは通常のライトに切り替え、卵が浮遊するシーンになった。夜なのに背景が青なのが気になったが…。

ペアが岩から出て、急上昇後産卵。下は海中に漂う卵

 

トラウツボの産卵をカメラで記録したのは、おそらく世界初。撮影した鹿児島放送局の中野カメラマンは、スタジオに来て解説をしていた。魚類の生態を明らかにするのは、毎日のように潜るダイビングガイドの観察が何より。好奇心を持って観察を続けた松田氏に〝あっぱれ!〟といいたい。

報道番組「おはよう日本」のスタジオで解説する中野カメラマン