大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

#自然観察

春はアケボノ・ハゼ

ようやく本格的な春が来た。この時季よく耳にする「春は、あめぼの」。枕草子の一節で、春は明け方が一番趣があっていい、という意味らしい。ということで、強引にアケボノハゼを取り上げる。 アケボノハゼはハゼ科で、全長約8cmになり、伊豆諸島以南の太平…

ハワイトラギスの生息場所

トラギス科のハワイトラギスは相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。全長約12cmになり、特徴は他のトラギス類と比べて模様に赤味があること、ホバリングする確率が高いことなど。新種記載は1900年だが、日本の図鑑に登場したのは1984年のこと。その…

八重根のアーチ

3/20(水)写真展『海で逢いたい』が無事終了した。知り合いの来場者には10数年ぶりという人も複数いた。写真展をフェースブックなどのSNSで知ったというので、イマドキだなと思い、こうした催しはやはり大切なことだと感じた。 3/16(土)は会場内でのレセ…

さわやか自然百景

3/17(日)NHK『さわやか自然百景』は、鹿児島県の沖永良部島だった。かなり海中シーンが多かったので、誰が撮影したのか楽しみに見ていた。 さわやか自然百景のタイトル 沖永良部島は地形がダイナミックな部分もあり、アーチが見られるのも特徴。 ダイナミ…

第27回「海で逢いたい」東京展開催!

標記写真展が3月15日(金)より始まった。今回は巡回展の神戸展は1か月前に開催。こんなに間が空くことはなかったため、やや戸惑った感じがした。 海で逢いたい東京展の案内状 それでも初日の10時前から関係者や有志が集まり、設営を行った。展示作は神戸展…

フタホシタカノハハゼの体色

ハゼ科のフタホシタカノハハゼは、奄美大島以南の西部太平洋、インド洋に分布し、内湾の砂泥底にテッポウエビ類と共生している。全長約8cmで、焦げ茶色の不規則な斑紋が全体に広がり、頬に細長くて黒い斑紋二つあるのが和名の由来。日本に生息が確認されたの…

アデウツボについて

ウツボ科のアデウツボは全長約100cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。あまり出会えないが、図鑑によれば100m前後の深いところに生息しているとのこと。日本に分布していることがわかったのは、80年代中ごろだった。口の中が鮮やかな…

人気の被写体・ヨスジフエダイ

フエダイ科のヨスジフエダイは全長30cmになるようだが、通常見れれるのは20cmくらいのものが多い。千葉県以南の西部太平洋、インド洋に分布する。主にサンゴ礁の周辺で群れている。黄色味が強いため海中でよく目立つうえ、さほど警戒心は強くないので絶好の…

第27回 写真展 「海で逢いたい」神戸展

標記の写真展が2/15~2/20までアートホール神戸に於いて開催中。 案内状 17日(土)見に行った。出品数は38点とかなり少なくなったものの、作品のレベルは向上していて。見ごたえがあった。諸事情により、神戸展は今回が最後になる。 会場の様子(1) 写真の…

あのころの主流は魚突き(2)

スピアフィッシング全盛の時代、素潜りで何度か水中銃を持ったことはあるが、水中カメラを使うほうが断然多かった。所属のクラブも写真や映像に力を入れていて、いろいろなカメラ・ハウジングを揃えていた。16mmシネグループもあり、わりあい安価に動画も撮…

ムスメベラの分布と生態

ベラ科のムスメベラは全長約22cmになり、千葉県以南~台湾、ニューカレドニア、オーストラリア南東部、ニュージーランドに分布する。琉球列島も分布に入っているが、奄美や沖縄では見た覚えがない。このことから高水温が苦手な温帯域のベラではないかと推察…

シャチが流氷に!

衝撃的な映像が飛び込んできた! 6日(火)午後6時のNHKニュースで、シャチが流氷に閉じ込められたというのだ。場所は北海道の羅臼沖。午前10時ごろに海上保安庁に連絡があったという。 NHKニュースより この時季流氷は風の影響で、北海道の東岸に流れ着く。…

砂にまぎれるカレイの仲間

砂地に生息する魚で、最も知られているのがヒラメやカレイだ。体は平べったくて、砂の色とよく似ている。それも生息場所の砂に合わせられるため、カムフラージュ効果は抜群。したがって、見つけたときの感動は大きい。 ダルマガレイ科のチカメダルマガレイは…

花魁ショー!?

ハゼ科のオイランハゼは全長約12cmになり、屋久島以南の西部太平洋、インド洋に分布している。内湾の浅瀬の砂泥底にテッポウエビ類と共に生息している。体側には赤茶の縞模様、顔周辺にはピンクや水色の斑点、背ビレにもピンクの楕円の模様があり、華やか。…

ウイゴンべについて

ゴンべ科のウイゴンべは房総半島以南の太平洋、インド洋に分布している。全長約19cmになるらしいが、通常見られるのは10cm前後が多い。同科は日本に14種分布しているが、本種が最も遊泳性がある。それは尾ビレを見ればわかる。湾入し、両端が糸状に伸び、色…

水中ストロボの役割

水中撮影するときストロボは必須だが、どのようなう役目があるのだろうか。地上で写真撮影するときにストロボを使う理由は、暗いところを明るくするためだ。水中の場合も明るくするためなのだが、もう一つ重要な理由がある。色を出すためだ。水中は、太陽光…

ダテハゼについて

ハゼ科のダテハゼは全長約12cm で、千葉県以南~屋久島、香港に分布している。沿岸の砂底にテッポウエビ類と同じ巣穴で暮らし、巣穴の修繕などはテッポウエビの役目で、ダテハゼは見張り役。したがって、テッポウエビが巣穴から出るときには、ヒゲはハゼの体…

映えるお年ごろ

魚類の多くは、幼魚から成魚になる過程で体色・斑紋が変化する。不思議なのは、幼魚期のほうが色鮮やかで目立つ場合が多いことだ。外敵から狙われやすい時期なのに、なぜ目立たつようになったのだろうか。もしかしたら食欲を減退させる働きがあるのかもしれ…

水中写真を使った年賀状2024

新年のあいさつをメールで交わすことが多くなった。時代の流れでしかたがない。だが、年賀状を手に取って直筆の文字を見ると、差出人との懐かしい思い出が蘇り、アナログは実にいいもんだと思う。今年いただいた年賀状は66通(1/10修正)’で、その中で水中写…

うみまーるカレンダー2024

今年も座間味島で活動している「うみまーる企画」のカレンダーが届いた。今回はちょっとした手違いがあり、受け取ったのは年が明けてから。というわけで、紹介は今になった。例年どおり5種類で、サイズやタイトルも同じ。いずれにも月の満ち欠けの図が入って…

タツが付く魚

今年の干支は「辰」なので、「タツ」が付く魚を取り上げてみよう。真っ先に思い浮かぶのはタツノオトシゴだろう。しかしタツノオトシゴの仲間はけっこう多いうえ、20数年前に分類的な整理を行った際に、幾種かに分かれた。その結果、タツノオトシゴの最大の…

2024スタート

いやはや、大変な年明けになった。「令和6年能登半島地震」。まさか元旦から大地震に見舞われるとは、誰も思っていなかっただろう。輪島には10年前旅行したので、多少想い出がある。朝市通り周辺は200棟くらい火災に遭い、ほぼ全焼らしい。 輪島・朝市通りの…

2023年を振り返る(下半期)

8月中旬、ピースボート40周年記念イベントがあった。会場は、地球一周クルーズを終えて東京国際クルーズターミナルに帰港したばかりの「パシフィック・ワールド号」内。さすが40周年とあって、大勢集まった。最初にピースボートに乗ったのは1996年で、ケアン…

2023年を振り返る(上半期) 

今年も残りわずか。2023年を振り返る時期になった。そこで、自分にかかわる出来事を上半期から振り返ってみたい。最初は、26回目になる写真展「海で逢いたい」神戸展。メインは東京展だが、巡回展のほうが先になってしまったのは、単に会場の都合。今回の出…

海のカレンダー2024

今年も来年の海カレンダーをいくつかいただいた。まずは、写真展「海で逢いたい」メンバー有志で制作している「煌めきの海」と「ときめきの海」。この中でよかったと思う写真を取り上げたいが、その前にカレンダー用写真について考えてみたい。カレンダーは1…

ミナミホタテ改めホタテウミヘビ

ウミヘビ科のホタテウミヘビは、東京湾以南の西部太平洋、朝鮮半島沿岸に分布し、砂泥底に生息している。全長約1mになる。5年前までは、ホタテウミヘビとミナミホタテウミヘビは混同されていた。図鑑ではホタテウミヘビの分布は東京湾~鹿児島で、ミナミホタ…

キラキライルミネーション

LEDが普及したお陰で、どこでもイルミネーションが見られるようになった。消費電力が少ないうえに寿命が長く、あまり熱くならないLEDライトはいいことずくめ。この時季、クリスマスと相まってイルミネーションの世界が広まっている。 東京ミッドタウン日比谷…

ナショジオ写真家が教える撮影術

先日配信されたナショナルジオグラフィックのメールマガジンに、ナショジオ写真家が教える撮影のコツという特集があった。人物、夜景の次が水中だった。水中は、ナショジオ契約カメラマンのジェニファー・ヘイズ氏が文章と作例写真を担当している。 最初の写…

テレビで3か所の海中 

12/10(日)のテレビ番組で、3か所も海中シーンがあった。 最初はNHK「小さな旅 荒波を超えて~北海道 厚岸町~」。潜水夫が潜降するシーンから始まった。厚岸では60年前から独特の潜水漁が行われている。ヘルメット潜水でのウニ漁だ。潮流が速いところでも…

黄葉の季節

イチョウ(銀杏)が見ごろになった。夏にたくさん葉を茂らせて日陰をつくりだしたり、延焼を防ぐ効果があるなどの理由で、街路樹や庭園樹としてよく目にするイチョウ。今回、散歩圏内のイチョウの名所を訪ねてみた。 横網町公園にある東京都慰霊堂とイチョウ…