大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

タヒチの印象深い魚(ランギロア編)

テレビ朝日の「旅サラダ」でタヒチを紹介していた。昔から憧れの海だったが、遠いこともあってなかなか行けなかった。チャンスが訪れたのは'96年12月、ケアンズからタヒチまでピースボトに乗船することになり、初めてタヒチ・ランギロアでダイビングした。 …

早熟なベラたち

魚類の観察で最も興味をそそられるのが、求愛や産卵など繁殖に関する行動だ。産卵に至るまでの駆け引きや感情の変化が読み取れると、一層楽しくなる。 小さなメス(黒い2尾)に求愛するオス ベラ類のそうした行動を観察していると、オスが幼魚を追いかけてい…

水中ストロボの話

水中用のストロボが登場したのは'68年ごろで、ただしアメリカだった。アメリカのダイビング雑誌『SKIN DIVER』'69年5月号には5~6種類のストロボの広告が載っていた。日本で市販されたのは確か'73年で、SEA&SEAのイエローサブ(YS)32だった。 '69年の広告…

水中写真専用フィルム

フィルム整理をしていたら、おもしろいものが出てきた。コダックの「水中専用リバーサルフィルム」で撮った写真だ。このアンダーウォーターフィルム(以下UWフィルム)が登場したのは確か1993年だったと思うが、「世界初」ということで一時話題になった。 UW…

イソギンチャクの背伸び!?

クマノミ類が住むことができるイソギンチャクは、日本には10数種ある。その中にジュズダマイソギンチャクという種も。触手が数珠に似ているのでこの名が付いた。生息場所のほとんどは砂地で、住んでいるのはクマノミの幼魚が多い。 クマノミの若魚が住むのは…

戦争と平和について

終戦70年ということで、戦争に関する特別番組や映画、催し物が多い。開戦当時、軍事力や資源など米軍とだけを比べても雲泥の差だったにもかかわらず、戦争を始めたのはなぜなのか。国民は反対できなかったのか。お国のために死ぬとはどういうことなのか。終…

イルカの写真(2)

御蔵島の一部のイルカが、利島に移り住んだという噂があった。確か2006年ごろだ。友人に誘われ、利島に行ったのは'11年7月。 美鈴選手と利島のイルカ 同行したのは、フリーダイビングの日本・アジア記録保持者の平井美鈴(現岡本美鈴)選手。モデルをしてく…

イルカの写真(1)

あでやっこ水中写真展でメンバーと雑談した際、イルカの話になった。「イルカの写真も撮るのですか?」と問われた。「撮るイメージはないですけど…」とも言われた。 三宅島から漁船で御蔵島へ('94.10) そう言われればそうかもしれない。以前の消えたブログ…

あでやっこ水中写真展

第21回あでやっこ水中写真展が開催中だ。主催の「あでやっこ水中写真倶楽部」は、神戸や大阪など関西中心に在住されている女性ダイバーのグループ。 あでやっこ水中写真展の案内状 倶楽部員の一部の方々とは倶楽部結成前から知っているので、毎回写真展の案…

黄化個体の不思議(最終回)

ギチベラの成魚の体色を大別すると3タイプある。そのうちの一つが黄化個体で、比較的よく見られる。 黄色同士。ヘラヤガラと 黄化個体のギチベラは、ヘラヤガラの「隠れみの」の相手にされることがよくある。 婚姻色のオス オスは白やオレンジ、黒などが入っ…

黄化個体の不思議(4)

コガネアジは30cmくらいの小型のアジ。黄化個体が多いためだろうか、和名の由来になっている。 黄化個体のコガネアジ(コモド諸島) 単独ないしは2~3尾で行動し、大きな群れはつくらない。海外のサンゴ礁域ではよく見られるが、日本では少ない。 両タイプの…

黄化個体の不思議(3)

ヒメウツボは全長30cmくらいにしかならない小型種。魚名の「ヒメ」は、小さいという意味の場合が多い。 身を乗り出すヒメウツボ(奄美) ヒメウツボが日本の図鑑に登場したのは'94年発刊の『日本産魚類生態大図鑑』(益田一/小林安雅著、東海大学出版会)。…

黄化個体の不思議(2)

ヘラヤガラも黄化個体がよく見られる。半分は黄化個体という感じがするが、目立つ色だからだろう。実際にはもっと少ないのかもしれない。 黄化個体のヘラヤガラ ヘラヤガラは基本的には単独で行動している。ゆっくり移動しているか、岩陰などで休んでいる場…

黄化個体の不思議(1)

魚の体色はさまざま。それぞれ意味があるのだろうが、以前から黄色の体色が気になっている。というのは、水の中ではよく目立つからで、なぜわざわざ目立つ色なのだろうか。 マルクチヒメジ。通常タイプも1尾いる ヤマブキスズメダイやキイロサンゴハゼなどの…