大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

黄化個体の不思議(最終回)

ギチベラの成魚の体色を大別すると3タイプある。そのうちの一つが黄化個体で、比較的よく見られる。


黄色同士。ヘラヤガラ

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黄化個体のギチベラは、ヘラヤガラの「隠れみの」の相手にされることがよくある。












婚姻色のオス
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オスは白やオレンジ、黒などが入った斑紋をしている。初夏~初秋の繁殖期にはこのようにはっきりした斑紋になり、婚姻色と思われる。それ以外の時季はもっとぼやけた体色になるが、繁殖期でもぼやけたような体色に変化させることができる。








こげ茶色タイプのメス
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メスの基本的な体色はこげ茶色。もっと明るい茶色の個体のものや黄色いタイプもいる。これまでの観察では黄化個体はメスで、オスは前述の体色ばかり。










逆立ちになって獲物を狙う

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ギチベラは小魚をエサにしている。そのため、サンゴの隙間に住む小魚を狙うことがしばしば。











産卵の瞬間
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ギチベラは1尾のオスが78尾のメスを従えたハレムをつくる。産卵のときは産卵場所にメスが集まって来るのだが、茶色や黄色の個体ばかり。準備ができたメスはオスの誘いを受けて並んで上昇し、放卵・放精する。こうしてオスは全部のメスに産卵させる。