先日「ワイルドライフ」の奄美ロケをしたとき、ギチベラが連日産卵していた。以前からギチベラの繁殖行動は何度も見ていたが、今回はさらにじっくり観察したので、取り上げてみたい。
ギチベラのオス。このような派手な体色は繁殖期のみ(座間味)
ギチベラのメスは大きさがオスと比べて小さい。体色はこげ茶、黄色、この中間の3タイプいる。
ギチベラのメス。このほかにまっ黄色もいる(石垣島)
ギチベラの特徴の一つが、口を伸ばせること。小魚を捕食するとき、あくびをしたとき、クリーニングされたときに伸ばす。
あくびをしたギチベラのメス(石垣島)
繁殖期のオスは派手な体色になるが、ずっと維持しているわけではない。産卵場所(縄張り)から離れると黒ずみ、戻ると体色も派手になる。おそらく隣のオスとの争いを避けるためと思われる。縄張りの境界付近の砂地でエサを探すときは体が黒ずんで目立たなくしていたからだ。
同一個体の体色の変化。わずか1~2分で変えることができる(奄美)
産卵はオスが中層で回るように泳いでメスにアピールする。するとメスが集まってきて、少しずつ浮き上がる。そうするとオスが接近し、一緒に急上昇して放卵・放精する。すぐに海底に戻るが、オスは再び中層でアピールを繰り返す。
放卵・放精の瞬間(座間味)