タツノオトシゴ科は尾ビレがなく、尾部で海藻やヤギ類に巻き付くことができることが特徴。タツノオトシゴは、昔から主に中国で漢方薬(強壮剤)として利用されてきた。そのため、乱獲や生息海域の環境悪化などで絶滅危惧種になっている。
数日前、タツノオトシゴの養殖を事業化する、というニュースがあった。10年前、静岡商工会議所と東海大学海洋学部が共同でタツノオトシゴの仲間のクロウミウマの人工ふ化をスタート。当初はふ化した仔魚の生存率が約10%だったが、エサや水質、環境などを研究・開発し、ついに60%になったという。そこで同会議所傘下の新産業開発振興機構、東海大学、新参入の不動産会社が瀬戸内海の離島に養殖プラントを建設。来年には乾燥品を出荷できる見通しとか。
養殖されているクロウミウマ
研究用に使用された養殖コンテナ
タツノオトシゴ科で大型なのはオオウミウマ、クロウミウマ、タカクラタツなどで、約18cmになる。中国で漢方薬に使用されているのは「タツノオトシゴ」とされているが、実際にはオオウミウマだったらしい。以前、日本ではオオウミウマとクロウミウマは混同されていた。現在は分かれているものの、画像では識別は難しい。両種とも体色に変異があるのでなおさらだ。
このように養殖され、流通が軌道にのれば資源保護につながるので、良いことだと思う。
黄色いタイプのオオウミウマかクロウミウマ(ラジャアンパット)