大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

砂の中から顔!

砂の中から顔だけ出している魚に出会うことがある。体全体が見たいと念じて待っていれば、出てきてくれることもある…かもしれない。ハナアナゴは夜行性だが、このときは昼間なのに出てくれた。ハナアナゴ(柏島) オキエソは砂に潜って獲物を待ち伏せする習…

砂底に顔!

広々とした砂地を移動しているとき、下に顔があってビックリすることがある。大抵はオニダルマオコゼで、砂に潜って顔だけ出しているのだ。背ビレのトゲに毒があるため外敵は少ないので、獲物を待ち伏せしているのだろう。オニダルマオコゼ(奄美) あまりに…

クロイトハゼ属の生態(2)

ハゼ科クロイトハゼ属のオトメハゼは、アカハチハゼと並んで生息数が多い。白っぽい体色にオレンジ色の楕円形の斑紋が並んでいるのが特徴。やはりペアでいることが多いが、アカハチハゼがガレ場を行動域にしているのに対し、本種は砂地がほとんど。巣穴の前…

クロイトハゼ属の生態(1)

ハゼ科クロイトハゼ属は、日本に約10種分布している。主にサンゴ礁域の砂礫底にペアで生息する。大きさは10cm前後。同属で最も生息数が多いのがアカハチハゼ。ペアで行動するのはもちろんだが、体を密着して移動することが多い。アカハチハゼのペア(座間味…

フタスジヒメジの生態

ヒメジ科のフタスジヒメジは伊豆半島以南の太平洋、インド洋に分布する。成魚は主にサンゴ礁域に生息し、温帯域で見られるのは幼魚や若魚がほとんど。全長40cmに達し、体側に二つの黒い斑紋があるのが特徴。沖縄の慶良間諸島では見た覚えはなく、最初に出会…

サザナミヤッコのヒレ

キンチャクダイ科のサザナミヤッコは、背ビレと尻ビレの後端が糸状に伸びるのが特徴。しかし個体差があり、出会う個体の大部分はビ尻ビレのほうは短くなっている。サザナミヤッコ(座間味) 先日、須磨水族園の水槽で見た2尾のサザナミヤッコは、背ビレと尻…

ホソスジマンジュウイシモチについて

テンジクダイ科のホソスジマンジュウイシモチは、西表島以南の太平洋、インド洋に分布する。内湾性で、マングローブや桟橋などのそばを好む。大きさは10cmに達するが、通常見られるのは5~6cm。ホソスジマンジュウイシモチ(ラジャアンパット) わりと最近ま…

胸ビレ広げて威嚇ってホント?

天敵が現れたら、たたんでいた胸ビレを広げて撃退するといわれている魚がいる。ホウボウやオニオコゼなどだが、本当だろうか?そのような場面の撮影を何度か試みたが、天敵が現れない。保護色なので気づかないようだ。胸ビレを広げた写真のほとんどは、ダイ…

初観察・カスミアジの求愛行動

アジ科のカスミアジは、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。主にサンゴ礁域に生息し、単独あるいは群れで行動しているが、数尾のグループの場合が多い。全長80cmに達し、魚類や甲殻類を主食にしている。 突進してくるカスミアジ(コモド) 幼魚は…

本場の魚

魚の名前には地名を冠したものもある。最初に発見された場合が多いようだ。したがって必ずしも生息数が多いというわけでもない。撮影者としては、魚名に冠された地で「本場の魚」を撮るのは、ちょっとだけ満足感がある。イシガキカエルウオ(石垣島) カシワ…