大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

クロイトハゼ属の生態(2)

ハゼ科クロイトハゼ属のオトメハゼは、アカハチハゼと並んで生息数が多い。白っぽい体色にオレンジ色の楕円形の斑紋が並んでいるのが特徴。やはりペアでいることが多いが、アカハチハゼがガレ場を行動域にしているのに対し、本種は砂地がほとんど。
巣穴の前で休むオトメハゼのペア(座間味)

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石の下に巣穴を掘り、危険を察知した場合や産卵のときに利用する。行動範囲に巣穴は複数あり、緊急時に使用するようだ。巣穴は時折整備するようで、その場面に出会うこともある。
巣穴から砂を口に含んで外に運び出しての整備(奄美

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サザナミハゼもオトメハゼと同様の生態だが、生息域が極端に浅いのが特徴。水深1~2mの場合がほとんどだ。したがって、スクーバダイビングのときは見過ごしてしまうことが多い。
巣穴から姿を現したサザナミハゼのペア(座間味)

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アカネハゼはサザナミハゼとは反対で、生息水深がやや深い。生息数も少ないため、生態はあまり知られていない。斜め上を向いてホバリングすることがよくある。
ホバリングするアカネハゼ(座間味)

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アオハチハゼの生息環境はちょっと変わっている。内湾の砂泥底のやや深い場所で、単独でいることが多い。やはり生息数も多くないために生態は明らかになっていない。
アオハチハゼ(奄美

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