大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

シモフリタナバタウオの擬態は

シモフリタナバタウオはタナバタウオ科で、全長約15cm。奄美諸島以南の西部太平洋、インド洋に分布する。 シモフリタナバタウオ 岩陰や穴などの暗い場所に生息し、出てくることはあまりない。黒褐色の地に白い斑点が全身に入っていて、背ビレ後方に目玉模様…

あまり知られていない共生

サンゴは粘液を分泌して、表面を覆っている。流れて来るプランクトンを粘液でからめて食べたり、付着した砂やゴミは粘液ごと捨てるとされ、サンゴが健全に生育するうえで大切な物質だ。 健全なサンゴ 粘液はタンパク質、多糖類、脂質などが豊富で栄養価が高…

ボツになった写真

前回の続きになるが…。 読売新聞の取材でどんな写真を撮ったのか、気になったので調べてみた。当時のログブックと保存してある写真を見比べて確認したら、5枚くらい残っていた。 ゴマウツボとアカスジモエビ 使用カメラはコンタックスに85mmレンズ+クローズ…

古い新聞と掲載写真

古い新聞が出てきた。日付は1984年11月25日。33年前のものだ。当時読売新聞の日曜版に「野生の四季」という連載があり、いろいろな動物が登場した。海の生きものもということで話があった。 '84年の読売新聞「野生の四季」 担当記者と打ち合わせの際、「共生…

ニシキオオメワラスボについて

ずいぶん前に休刊になってしまったが、日本フィッシュウォッチングクラブ発行の『伊豆海洋公園通信』があった。各地のダイバーからの情報や魚類研究者の発表などが掲載されていて、かなり参考になった。 伊豆海洋公園通信に掲載の本種 特に日本初記録種は大…

食いしん坊のウミガメ

最近はどこの海でもウミガメによく出会う。人工ふ化などで保護したから増えたのだろう。よく行く座間味や奄美、インドネシアのコモド諸島でも数は増えていて、ダイバーをまったく怖がらない。 エサを食べるタイマイ(座間味) ウミガメでも座間味やコモドで…

大盛況! チンアナゴまつり

11月11日は「チンアナゴの日」ということで、すみだ水族館では10日~12日の3日間「ゆらゆらチンアナゴまつり」を開催。11日はチンアナゴにかかわっている有識者を招いてのイベントが行われた。 チンアナゴまつりのすみだ水族館 水族館では人気のチンアナゴを…

アカモンガラの生態(その2)

アカモンガラの沖縄での繁殖期は、5~9月。今回NHK「ダーウィンが来た!」のチンアナゴのロケで、アカモンガラのハレムがわかった。 メスが陣取る チンアナゴのコロニーのすぐそばに二つのハレムがあり、その一つは根を住みかにしていた。1尾のオスがメス11…

アカモンガラの生態(その1)

モンガラカワハギ科のアカモンガラは、相模湾以南の西部太平洋・インド洋に分布している。本州での記録はおそらく幼魚で、成魚が見られるのはサンゴ礁域と思われる。全長30cmに達する。 中層で群れるアカモンガラ プランクトン食で、通常は中層で群れになっ…