大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

アカモンガラの生態(その2)

アカモンガラの沖縄での繁殖期は、59月。今回NHKダーウィンが来た!」のチンアナゴのロケで、アカモンガラのハレムがわかった。


メスが陣取る

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チンアナゴのコロニーのすぐそばに二つのハレムがあり、その一つは根を住みかにしていた。1尾のオスがメス11尾を支配している。オスはやや大きく、体側が薄い青。婚姻色なのだろう。ある日、それぞれのメスが砂地に小さな縄張りを持ち、産卵床を作り始めた。








産卵中のメスとオス
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翌日、チンアナゴの朝の様子を撮影するため、5時に現場へ行った。520分ごろアカモンガラが活動開始。メスはそれぞれ産卵床に着底する。オスはその上を巡回。メスは産卵床から離れたり戻ったりを繰り返す。そのうちにオスがメスの隣に着底し産卵した。この日は4尾のメスと産卵を行った。








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その後はメスが卵の世話を行う。モンガラ類の卵はその日の夜にふ化するので、メスが世話をしても次の産卵にさほど負担にはならないからと考えられる。










コロニーに産んだ卵を見守るメス

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数日後、根から少し離れたもう一つのハレムが産卵したようで、卵の世話をしていた。それもチンアナゴのコロニーの中にだ。卵の世話をするたび、チンアナゴは巣穴に引っ込まなければならない。









チンアナゴの目の前がアカモンガラの卵
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卵は砂と粘液状のものと混ざりあい、直径30cmくらいの広さで、少しだけ盛り上がっているのでなんとなくわかる。チンアナゴはいい迷惑で、半日は充分にエサをとることができない。

モンガラカワハギ類の産卵は一生撮れないと思っていたが…これもチンアナゴのお陰だ!