大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ボツになった写真

前回の続きになるが…。
読売新聞の取材でどんな写真を撮ったのか、気になったので調べてみた。当時のログブックと保存してある写真を見比べて確認したら、5枚くらい残っていた。


ゴマウツボとアカスジモエビ

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使用カメラはコンタックス85mmレンズ+クローズアップレンズ。いいマクロレンズはまだ出ていなかった。
注・現在はアカスジモエビではなく、アカシマシラヒゲエビ。









ホバリングする習性があるクサハゼ                                                                 

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座間味港を出たところに人工漁礁がある。船が頻繁に通るので今はダイビング禁止だが、昔はできた。漁礁の周辺が砂泥底で、共生ハゼが多く生息していた。このハゼは名前がわからなかったが、直後に発刊された『日本産魚類大図鑑』(東海大学出版会)により、和歌山、小笠原、紅海に分布するクサハゼであることがわかった。






ヒメダテハゼとリュウキュウハナハゼ

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別のポイントでは居候と呼ばれているハナハゼを撮った。この当時は伊豆で見られるハナハゼの尾ビレの糸状のものは5~6本、沖縄のものは2本で地域変異とされていたが、現在は別種になり、リュウキュウハナハゼという和名になっている。








ジョーフィッシュ
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共生以外も撮っている。ガレ場にいたジョーフィッシュだ。当時は日本の図鑑には載っていなかったため、ログブックには「カエルみたいな顔の魚」と書いてあった。










釣りで採集
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当時海洋公園の益田一氏がよく座間味を訪れ、魚類の調査や撮影をしていた影響で島の人は感化され、珍しい魚には関心が高かった。スタッフにジョーフィッシュを釣ってもらって標本にし、益田氏経由で横須賀博物館の林公義氏にお渡しした記憶があるが、その後どうなったかは覚えていない。