'84年の読売新聞「野生の四季」
担当記者と打ち合わせの際、「共生」の写真を数点候補としてお見せした。その中の一つが掲載の写真で、'79年に6×6判のローライマリンで撮影した。熱海近くの赤根が撮影場所。
同じときに撮ったスナイソギンチャク
この写真を撮ったころぼくはサラリーマンだったが、休日にはよく海に行っていた。赤根の水深20mのところでピンクのスナイソギンチャクを見つけ、よく撮影した。イソギンチャクに住むアカホシカクレエビが、近寄る魚たちをクリーニングする行動に魅了されていたのだ。
オリジナルフィルムで、魚はコスジイシモチ
実は、掲載写真がすんなり決まったわけではない。担当記者と打ち合わせのとき、話の流れで座間味島へ記者と二人で取材に行くことになった。
続きのカットで、魚はオオスジイシモチ
記者はダイビングをしないので、ぼくが撮影中は船上に残り、偶然同乗したダイバーにインタビューしたりしていた。記者は2日間、ぼくは1週間滞在。しかし、候補写真を超えるものは撮れなかった。
魚はキタマクラの若魚
掲載紙には撮影データはあるものの、撮影場所は書かれていない。文章も船上でのインタビューの内容が大部分だった。記者は単に沖縄に行きたかっただけなのかもしれない。いい時代だった。ちなみにフィルムの保存が良かったのは、長年フィルムライブラリーに預けていたお陰で、数年前に返却されたからだ。