大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

生物学

タイマイは食いしん坊

サンゴ礁の海で出会うウミガメは、大部分がアオウミガメとタイマイだ。タイマイは顔が細くて口先が尖っていること、甲羅の縁の後方がギザギザになっているのが特徴。甲羅はべっ甲細工として櫛や帯留め、メガネの縁などに利用されたため、乱獲されて絶滅危惧…

8月9日は「ダーウィン祭り」

2018年秋に奄美で長期取材したNHK「ダーウィンが来た!生きもの新伝説 ひっつかない!コバンザメ謎の大集結」の放送が、いよいよ9日になった。 また、2017年11月に放送した「ダーウィンが来た! 生きもの新伝説 大人気! チンアナゴの珍生活」が、同日朝、NH…

今朝の「さわやか自然百景」はマニアック

毎週日曜日の朝放送のNHK「さわやか自然百景」。15分の短い番組なのだが、かなり時間をかけて取材している。制作(撮影)はNHK以外に外部の制作プロダクション数社も担当している。それぞれ特徴があり、水中シーンが多いときはだいたい「日本水中映像」だ。…

世界的にサメが減少

ナショナルジオグラフィックのメールマガジンに、サメの調査の記事が載っていた。海洋生物の世界的研究機関が世界58か国、37か所のサンゴ礁でサメの調査を実施。これほど大規模な調査は初だという。 カリブ海での調査の様子(ナショジオのメールマガジンより…

ギチベラの生態

先日「ワイルドライフ」の奄美ロケをしたとき、ギチベラが連日産卵していた。以前からギチベラの繁殖行動は何度も見ていたが、今回はさらにじっくり観察したので、取り上げてみたい。 ギチベラのオス。このような派手な体色は繁殖期のみ(座間味) ギチベラ…

脅かしているつもりが…

魚の中には胸ビレが大きなものもいる。ふだんはたたんでいるが、広げると巨大になる。ホウボウやセミホウボウ、オコゼなどがこのような特徴を持つ魚で、ヒレを広げるのは威嚇の意味がある。 ホウボウは約40cmに達し、北海道南部以南~南シナ海に分布し、砂泥…

最近届いた本

奄美から帰ったら本が3冊届いていた。そういえばこの時期に出版されると聞いていたものだ。1冊目は講談社の魚類図鑑で、8年くらい前に発刊された『MOVE 魚 』の小型版『MOVEmini 魚』。DVDはついていない代わりに、QRコードを読み込むとデジタル図鑑が見られ…

奄美「ワイルドライフ」ロケ(2)

今年はやはり異常のようで、いつもいる魚が見えない。アマミホシゾラフグも嘉鉄ではまったく見られず、もちろんミステリーサークルもできていない。ただ、しものせき水族館の調査で、清水でようやく見つかった。コバンザメもこの時期はいなくなると地元の人…

いよいよ始動!

新型コロナウィルス感染予防対策で、いろいろなものが自粛になっていた。昨年から制作していた写真集もしかり。ここにきてようやく再開した。今回の写真集は自ら企画したもので、自分からというのは『奄美 生命の鼓動』(講談社)以来2冊目になる。 宣伝用の…

トガリエビスの性格

イットウダイ科のトガリエビスは、全長40cm以上にもなるらしい。しかしよく出会うのは30cm前後が多い。紀伊半島以南の太平洋、インド洋に分布し、岩穴などやや暗いところに生息している。 岩穴に生息するトガリエビス(15年、西表島) 最初にトガリエビスに…

北の魚

南の海に潜ることが多いので、写真のストックはサンゴ礁魚が大部分。とはいえ、以前は海中公園の取材もしていたので、北海道や青森、新潟でも潜ったことがある。そこで、貴重(?)な北の魚を取り上げてみよう。 まずはアイナメ科のアイナメ。九州あたりまで…

ざんねんな魚たち

『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)が大好評だ。シリーズ化され、累計で380万部突破したとか。うらやましい。「進化のふしぎ」「意外な一面」「ざんねんすぎて 愛おしい」というコンセプトで、わかりやすく書かれているのが受けたのだろう。「サイの角…

フエヤッコダイの3尾行動説

チョウチョウウオ科のフエヤッコダイは黄色い体、そして細長い口が特徴。全長約15cmで、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。成魚がよく見られるのは奄美以南のサンゴ礁域。単独ないしペアで行動しているが、時折3尾でいることもある。3尾のフエヤ…

平和的な決着法・大きさ比べ

同種の魚の縄張り争いは、にらみ合ってからつついたり、噛みつくことが多い。しかし中には、平和的な方法をとるものもいる。体の大きさを比べるのだ。本来動物は体が大きいほうが強いとされてきた。体格差が少ないとき、互いにすれ違うかたちで比べ合い、小…