ナショナルジオグラフィックのメールマガジンに、サメの調査の記事が載っていた。海洋生物の世界的研究機関が世界58か国、37か所のサンゴ礁でサメの調査を実施。これほど大規模な調査は初だという。
調査方法は、エサ付きカメラトラップ(自動撮影装置)を1万5000台以上設置。撮影された画像を分析した結果、約2割のサンゴ礁でサメがいなかったという。ドミニカ共和国、コロンビア、スリランカ、グアムなど人間の居住地に近いサンゴ礁だったようだ。
それまで生息していて今回見られなかったのはオグロメジロザメ、ツマグロなどで、その原因は、肉やヒレが目的での乱獲。マグロなどの漁で混獲されるなどが挙げられる。
サメは海の食物連鎖の最上位にいる。獲物でもある魚を食べることで、その数を健全に保つ重要な役割を果たしている。サメがいない海は一見平和そうだが、実はバランスが崩れていて決して平和ではないのだ。
背ビレの先が黒いツマグロ(ラジャアンパット)
研究者は、健全な海にとってサメの存在がどれだけ重要かを世界中の人に理解してもらう必要がある、と話す。保護区を設けたり、サメに危害を加えない漁具を使用するなど、漁業の規制も大切で、こうすることによってサメの数も回復するという。
ネムリブカ。海底で休んでいることが多いのが和名の由来(コモド)