大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

フエヤッコダイの3尾行動説

チョウチョウウオ科のフエヤッコダイは黄色い体、そして細長い口が特徴。全長約15cmで、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。成魚がよく見られるのは奄美以南のサンゴ礁域。単独ないしペアで行動しているが、時折3尾でいることもある。
3尾のフエヤッコダイ(奄美

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2ペアがたまたま遭遇し、1尾が遅れているのかと思ったこともあるが、ずっと3尾のまま。本種が3尾で行動することが多いと気づいたのは30年くらい前。以来、そのような状況に出会ったときは、わかりやすいように撮影することを心掛けた。
エサを探す3尾のフエヤッコダイ(奄美

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通常、同種のペア同士が近づくと争いが起きるが、本種の場合は何も起こらない。したがって、ペアに単独の個体が近寄ってきても問題ではないようだ。2ペアでないことを証明するには、平坦で広々したところで撮るしかない。
3尾で行動している証明写真を撮るのは難しい(奄美

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好みのエサは小型甲殻類やゴカイ類で、細長い口のお陰でサンゴの狭い隙間に隠れているものでも食べることができる。
ハナヤサイサンゴに群がる3尾(座間味)

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3尾になる理由は特になく、たまたまペアと単独が出会って行動しているのだろう。自分のなかでは「フエヤッコダイあるある」なのだ。しかしそれほど絆が深いわけではないので、また離れ離れになるに違いない。
ガレ場を移動中のフエヤッコダイ3尾(座間味)

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