『ざんねんないきもの事典』(高橋書店)が大好評だ。シリーズ化され、累計で380万部突破したとか。うらやましい。「進化のふしぎ」「意外な一面」「ざんねんすぎて 愛おしい」というコンセプトで、わかりやすく書かれているのが受けたのだろう。「サイの角はただのイボ」というのもあった。イボが角になるのは凄いという見方もできるので、視点を変えることも大切なようだ。そこで魚でもざんねんなものを探してみた。まずは、蒲鉾や竹輪などの練り製品の原料になるワニエソ。大勢の人に食べられているが、誰にも顔は知られてない。
練り製品の原料になるワニエソ(大瀬崎)
ベラ科で最大のナポレオンフィシュ。かなり有名な魚だが、メガネモチノウオという本名を知っている人は少ない。
ナポレオンフィッシュことメガネモチノウオ(紅海)
カエルアンコウ類は、魚なのに泳ぎが苦手。ふだんはヒレを使って海底をはうようにして移動する。危険が迫って逃げるときは、胸ビレ付け根にある穴から水を噴射してダッシュするのだが、2~3m進むのが限界。すぐに着地してしまう。
カタクチイワシは、小さなうちは人間に捕られてチリメンジャコに。大きくなるとやはり捕られて煮干に。生き残ったものも大きな魚のエサになり、いずれにしても食べられる運命にある。でもご安心を。驚くほどの繁殖力で命を繋いでいる。
ヒメジ科の特徴はあごに2本のヒゲがあること。そのためオジサンという和名の種もいる。オジサンには幼魚もメスもいるのに…。
10cm前後の若魚。メスもいるのにすべてオジサン(座間味)