大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

魚の縦縞・横縞について

魚の体色・斑紋にはいろいろあるが、縞模様が多いのはなぜだろう。陸上の動物ではシマウマくらいしか思い浮かばないので、やはり魚は特別なのかもしれない。
ざっと見ただけでもこんなに縞模様の魚がいる

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おなじみのタテジマキンチャクダイだが、縞模様が横に見えるのにどうして「タテジマ」なのか不思議に思う方もいるに違いない。
タテジマキンチャクダイ(座間味)

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このように上に向かって泳ぐと違和感はない。
上方向へ泳ぐタテジマキンチャクダイ(奄美

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これは縦縞に見えるが、ヨコシマクロダイ。なぜ魚の「縦縞・横縞」はこうなったのかは、いくつか説がある。昔から魚屋は尾のほうを持ってぶら下げ、客に魚の状態を見せたから、というのも一つ。しかし科学的ではない。
フエフキダイ科のヨコシマクロダイ若魚。成魚になると縞模様は消える(座間味)

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動物学的に縦とは、体の軸に沿った方向のことで、横は体の軸に対して垂直となる方向のこと。体の軸は背骨と考えてもよいので、背骨と並行なら縦縞ということになる。唯一人間だけ体の軸が地表に対して垂直になっているので、人間の世界だけ見ていると問題ないのだが、人間目線で動物を見ると混乱が生じるのだ。
縞模様だが無難な和名のシマヤッコ(バリ)

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