大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

サザナミヤッコの幼魚はどこ?

キンチャクダイ科のサザナミヤッコは全長約40cmで、千葉県以南の中・西部太平洋、インド洋に分布している。


サザナミヤッコの成魚(コモド諸島)
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本種はサザナミヤッコ属で、日本では他にタテジマキンチャクダイ、ロクセンヤッコ、アデヤッコなどが含まれる。同属は大型のグループで、幼魚と成魚の体色・斑紋が著しく異なるのも特徴。いずれの幼魚も濃紺に白い縞模様が入る。







2.5cmの幼魚(富戸)
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不思議なのは、本種の幼魚はあまり見られないこと。タテジマキンチャクダイの幼魚はかなり見られるのに、いったいどうしてだろう。全長約2.5cmの幼魚を東伊豆の富戸で出会ったことがあるが、こんなに小さいのは最初で最後だった。







10cmの幼魚(座間味)
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サザナミヤッコの和名の由来は、いうまでもなく幼魚の縞模様からきている。











13cmの幼魚(コモド)
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インドネシアのコモド諸島でも2回幼魚に出会っていて、大きさは13cmくらい。同じポイントなので、同一個体の可能性がある。









18cmの未成魚(座間味)
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沖縄で本種の幼魚を見たのはたった一度だけ。タテジマキンチャクダイの幼魚は数えきれないほど見ているのに、この差は何なのだろう。アクアリスト三浦半島伊豆半島で本種の幼魚をよく採集するらしいので、黒潮に乗ってくるのは間違いない。もしかしたら本種は外洋で産卵しているのかもしれない。