大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

チリメンヤッコとグレーテイル

キンチャクダイ科のチリメンヤッコは、白と黒の境がグラディーションで、尾ビレが黄色い。顔に黒帯がある。全長約18cmで、奄美大島以南の西部太平洋に分布している。

チリメンヤッコ(コモド)

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幼魚の体色・斑紋も成魚と大きな違いはない。生息場所は内湾で、サンゴの間に大抵単独でいる。

4cmの幼魚(奄美

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オスとメスの違いも外見ではわからない。1尾のオスが複数のメスを支配する、ハレムを形成するといわれている。

夕方になると複数になる傾向がある(奄美

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チリメンヤッコによく似たグレーテイルエンゼルフィッシュがいる。違いは尾がグレーで縁だけ黄色いこと。また、白黒の配分が若干異なり、白がやや多い。インドネシアパプアニューギニアに分布している

グレーテイルエンゼルフィッシュ(コモド)

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海外の古い図鑑では、チリメンヤッコのバリエーションとしていた。だが、最近では別種と考える学者が多い。コモドでは両方見られる。

バリエーションになっている海外の図鑑

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数年前、コモドでチリメンヤッコとグレーテイルの中間のような個体に出会った。尾ビレが黄色とグレーなのだ。もし交雑種だとすれば、別種だという証ではないだろうか。

チリメンヤッコとグレーテイルの中間の個体(コモド)

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