大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

青ベラ・赤ベラ

ベラ科のキュウセンは、北海道から九州までの沿岸、朝鮮半島や台湾などに分布する。全長は約25cmに達する。西日本では食用にされ、体色からオスを「青ベラ」メスを「赤ベラ」と呼ぶ。
青ベラことオスのキュウセン(大瀬崎)

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体側に赤茶色のラインが入っているのがメスで、単独あるいは数尾で行動する。
赤ベラことメスのキュウセン(赤沢)

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和名の由来は線が9本あるからという説が有力。若いメスは群れで行動することが多い。
群れで行動する若いメス(富戸)

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キュウセンはメスからオスに性転換することが知られている。つまり赤ベラから青ベラに変わるのだ。だがすべてのメスが変わるわけではない。また、赤ベラのオスもいるらしいし、赤ベラから青ベラに変わる途中の個体もいるから、体色だけで性別を決めるのは難しい。
性転換の途中と思われるもの同士の争い(富戸)

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幼魚や若魚はクリーニングする習性がある。周囲の魚はそのこと知っているようで、集まってくる。体色で性別を見極めるのは困難なので、西日本の人たちが言う青ベラ、赤ベラは的を得ていると思う。
マツバスズメダイをクリーニングする若魚(大瀬崎)

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