大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

稀種の宝庫・お花畑

座間味にお花畑というダイビングポイントがある。平坦な海底にウミトサカの仲間が群生しているのでこの名が付いた。座間味島嘉比島の間の海峡にあり、潮の干満のとき強い流れになる。そのような環境からか、珍しい魚がたくさん見つかっている。
お花畑の海底

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最初に潜ったのは1987年。ホタテツノハゼとまだ和名が付いていなかったヒレナガネジリンボウがいると聞き、現地ガイドに連れていってもらったのだ。水深31mなのであまり粘れず、ヒレナガネジリンボウだけしか撮影できなかった(このときの写真は残ってない)。
当時はネジリンボウ属の1種だった(2008年撮影)

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その後も機会あるごとに潜った。潮の流れが強いとトサカのポリプは開いてきれいなのだが、魚を探したり撮影するのはきつい。そこで潮どまり少し前に入るようになった。クジャクベラも確かまだ和名がなく、ピンクフラッシャーラスと呼ばれていた。
ピンクフラッシャーラス(2009年撮影)

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海外では何度か見たベラも2種お花畑にいた。やはりまだ和名がなかった。後にアオスジオグロベラ(上)と付けられたこのベラは、当時オグロベラ属の1種あるいはセヴァーンズ・ラスと呼ばれていた。
アオスジオグロベラ(上)とスミツキオグロベラ(2009年撮影)

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お花畑に最初に潜ったとき撮れなかったホタテツノハゼは、2009年にリベンジを果たした。なんと22年もかかったが、その間奄美でたくさん撮っていたので、悔いはない。このときは不思議なことに、巣穴から1m以上も離れた。

このほかにもツキノワイトヒキベラ、ハワイトラギスなどを見ているが、じっくり探せばまだまだ稀種が見つかることだろう。
ホタテツノハゼ(2009年撮影)

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