魚類
フサカサゴ科のハナミノカサゴは全長約30cmになり、房総半島以南の太平洋、東部インド洋に分布している。ミノカサゴとよく似ているが、尾ビレで見分けがつく。本種の尾ビレには小さな黒点が無数にあるが、ミノカサゴにはない。警戒心が強くないうえに泳ぐ速…
魚類には別種なのにそっくりなものがいる。有毒など特別な理由があって天敵がいない魚をモデル。無毒だが、それに似ていて恩恵を受けている魚を擬態種というが、モデルを本物、擬態種を偽物といういい方もある。「擬態」に興味を持ったのは80年代初めで、そ…
ベラ科のシロタスキベラは全長約40cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。サンゴ礁域のガレ場や砂地を行動することが多い。オスの体色は緑がかった灰色で、体側に青の横縞があり、胸ビレの後ろに黄色い横帯が入っている。 マルクチヒメ…
NHK Eテレで毎週金曜日放送の「ウチのどうぶつえん」。いつも愛情をもって動物と接している飼育員さんの視点で取材された人気番組だ。 「ウチのどうぶつえん」のタイトル(番組HPより) その番組担当者から連絡があった。国内でフグの展示が最も多い、市立し…
スズメダイ科のアツクチスズメダイは全長約7cmになり、奄美大島以南の西部太平洋、インド洋に分布している。体色は黒味がかった茶色で、模様はない。生息場所枝状サンゴなどのすき間、食べものはサンゴのポリプなので、サンゴへの依存度はきわめて高い。 枝…
11/17(日)の「さわやか自然百景」は、愛媛 愛南町の海だった。水中シーンが多かったので、外部プロダクションの日本水中映像の制作かと思ったが、NHK松山だった。 さわやか自然百景のタイトル それはともかく、番組を見ていたらとても懐かしくなった。とい…
カワハギ科のカワハギは全長約25cmになり、青森県~九州、朝鮮半島、中国沿岸、台湾、フィリピン北部に分布している。体色は薄茶色で褐色の斑紋が複雑に入っているが、個体差があるうえに感情によって著しく変化することがある。 カワハギ(初島) オスとメ…
ヒラメやカレイ類は平べったい体をしているうえ、片側に両目があるので実に個性的といえる。だが、さらに個性豊かなヒラメ・カレイがいるので選んでみた。まずはジャノメツキノワガレイ。全長約10cmで、20年前日本初記録になり、和名が付けられた。体側に目…
ベラ科のシチセンベラは全長約25cmになり、屋久島以南の西部太平洋に分布している。生息数は多くないようで、沖縄・慶良間諸島と奄美大島でしか出会っていない。派手な縞模様と、青い歯が特徴。 毒々しいほどの色合いをしたシチセンベラ(奄美) 生息場所は…
10月31日~11月5日の期間、あでやっこ水中写真倶楽部の写真展がこうべまちづくり会館で開催された。都合が合えば見に行ってるので、今回も11/2(土)に行く予定にしていた。 第28回 あでやっこ水中写真展の案内状 当日11時ごろ東京駅に着くと、なぜか大混雑…
ハゼ科のクロオビハゼは全長約10cmになり、沖縄本島以南の西部太平洋に分布している。生息場所は内湾の砂泥底で、テッポウエビ類と共生しており、巣穴の上でホバリングしている。体色は背中側が灰色で、腹部側が白。目のうしろから尾柄部まで褐色の帯が走っ…
10/27(日)のNHK「さわやか自然百景」は、千葉 鋸南町(きょなんまち)の海。事前に撮影したKカメラマンから連絡をもらっていたので、楽しみにしていた。Kさんは昨年NHKを退職し、制作プロダクションを設立している。「さわやか自然百景」はこれで確か2作目…
ブダイ科のナンヨウブダイは全長約60cmになり、伊豆半島以南の中・西部太平洋に分布している。九州以北で見られるのはたぶん幼魚で、成魚が生息するのは屋久島以南と思われる。体色が青っぽいため、アオブダイと間違えられることがあるが、アオブダイは温帯…
ベラ科のクロベラは全長約15cm になり、和歌山県以南の西部太平洋、インド洋に分布している。サンゴのポリプを主食にしているため、サンゴへの依存度はとても高い。オスの体色は青っぽく、クロベラという名にふさわしくない。 枝状サンゴの上を移動するクロ…
イソギンポ科のニジギンポは全長約10cmになり、下北半島以南の西部太平洋に分布している。目から尾柄部まで黒帯とそれを挟むように白帯が入っているのが特徴。黒帯は、個体によって茶色の場合もあり、温帯域に生息するものにその傾向が強い。通常は海藻の近…
ウツボ科のニセゴイシウツボは全長約180cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋に分布している。白または肌色の地に小さな黒い斑紋が全身に入っているのが特徴。ウツボ類の中では大型の部類になる。 白地に黒い斑紋が特徴のニセゴイシウツボ(奄美) ニセゴイシ…
チョウチョウウオ科ハタタテダイ属のシマハタタテダイは全長約24cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。ハタタテダイ属は日本に6種知られているが、その中で最も生息数が少なく、行動範囲が広い。そのうえ警戒心も強いため、出会…
9/29 NHK「さわやか自然百景」は「鹿児島 奄美の海」だった。しかし画面の右上には〝奄美と田中一村の世界へようこそ〟とあり、番組では田中一村を取り上げる様子はない。最後に理由がわかったのだが…。 9/29放送のさわやか自然百景のタイトル しばらく見て…
東京はようやく秋らしくなった。〝食欲の秋〟ということで、奄美大島で出会った食欲旺盛な魚を取り上げよう。通常、捕食魚が獲物を捕らえた場合、すぐに岩陰など目につかないところに隠れる。横取りされるのを防ぐためだ。したがって、獲物をくわえている姿…
ベラ科モチノウオ亜科テンス属のヒラベラは全長約18cmになり、伊豆半島以南の西部太平洋、インド洋に分布し、砂底や砂礫底に生息する。同属は日本にホシテンス、テンス、ハゲヒラベラなど9種が確認されている。本種は目の後方に黒い斑紋があることが特徴なの…
9/17(火)NHKのニュース番組「おはよう日本」で、トラウツボの産卵が流れた。途中から見たのだが、鹿児島県のダイビングショップのガイドが観察を続けて産卵日を予測。そしてNHK鹿児島の潜水取材班が撮影したというもの。 ダイビンングガイドの松田康司氏 …
80年代中ごろから、水中写真やフィッシュウォッチング(FW)を楽しむダイバーが増えてきた。86年に東海大学出版会から出された『フィッシュウォッチング』(林 公義著)の後押しもあったのだろう。ただ、この本では、ダイバーが魚を観察している写真がほとん…
ハタ科のツチホゼリは全長約1mになり、相模湾以南の中・西部太平洋に分布している。ハタ類の中では最も体高が高く、明るい灰色の地に小黒点が全体に入っているのが特徴。体色をよく変化させることも知られている。生息数は小笠原に多く、沖縄は少ない傾向が…
クマノミ類が住むイソギンチャクには、クリーニングを行うカクレエビの仲間が同居している場合が多い。ほとんどは別の魚がクリーニングにやって来るのだが、稀に同居のクマノミ類をクリーニングすることがある。その瞬間を撮るのは難しいが、クマノミとトウ…
スズメダイ科クマノミ属は日本に6種分布している。クマノミが最も生息数が多く、次がハナビラクマノミだ。全長約8cmで、奄美大島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。英名はピンク・アネモネフィッシュというように、体色はピンクあるいはオレン…
ベラ科クジャクベラ属は全長約8cmと小型ながら、ある瞬間に輝くのでフラッシャー・ラスと呼ばれている。世界に13種、日本にはクジャクベラ1種のみが生息する。クジャクベラは1981年に新種記載され、英名はピンク・フラッシャー・ラスあるいはカーペンターズ…
チョウチョウウオ科のフウライチョウチョウウオは全長約20cmになり、神奈川県以南の太平洋、インド洋に分布している。新種記載は1758年だが、日本初記録は不明。和名がどうして付いたのか気になったので、調べてみた。英名はバガボンド・バタフライフィッシ…
ハタ科のカンモンハタは全長約30cmになり、伊豆半島以南の太平洋、インド洋に分布している。ハタ類としては小型種で、主な生息場所はサンゴ礁。クリーム色の地に、多角形をした赤茶色の斑紋が密に全体を覆っている。あまり派手ではないので、注目されること…
8月4日 NHK「さわやか百景」は、鹿児島県の錦江湾だった。独特の海中景観と魚類相の錦江湾では3回潜っているので、親しみを感じるとともに、当然水中シーンが多いはずと期待して見た。 さわやか自然百景タイトル 浅いところはミドリイシ類のサンゴやシコロサ…
アジ科のナンヨウカイワリは全長約80cmになり、伊豆諸島以南の太平洋、インド洋に分布している。主にサンゴ礁域のやや深いところを2~10数尾で回遊している。回遊魚のカスミアジ、ギンガメアジ、ロウニンアジなどと比べると、各ヒレの形や位置、体型などが若…