同種の魚の縄張り争いは、にらみ合ってからつついたり、噛みつくことが多い。しかし中には、平和的な方法をとるものもいる。体の大きさを比べるのだ。本来動物は体が大きいほうが強いとされてきた。体格差が少ないとき、互いにすれ違うかたちで比べ合い、小さいほうは去る。こうして傷つけ合わずにすむ。
オウゴンニジギンポ(リロアン)
縄張り争いといえども同種同士なので、できれば穏便にすませたいに違いない。そうしたことで、体の大きさを比べて結着をつける方法を考え出したのだろう。このような行動を「側面誇示」という。
ヒゲニジギンポ(リロアン)
これはベラギンポの仲間で、未記載種。全体のヒレを広げることで、より大きさを誇張できる。
ベラギンポの仲間(座間味)
ダテハゼは、大きな口を開けて威嚇し合ったりし、さまざまな動きの中で側面誇示を行う。
ダテハゼ(柏島)
クツワハゼ属の一種も体の大きさ比べをした。図鑑ではマダラカザリハゼに近かったが、興奮しているためにふだんの体色と異なるようで、同定できなかった。
クツワハゼの仲間(柏島)