大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

#自然観察

ロープ好きなカエルアンコウ

3月5日、写真展「海で逢いたい」は無事終了した。50数点の出品作の中で、ブイをつなぐロープに挟まっているオオモンカエルアンコウの写真があった。撮影場所は真鶴で、約1か月もロープのところにいたという。思い起こしてみると、確かにこのカエルアンコウは…

写真展「海で逢いたい」開催!

2/28 午後1時より、第28回写真展「海で逢いたい」が開催した。 第28回「海で逢いたい」のポスター 10時から有志が集まり、設営に臨んだ。回を重ねているため、作業は順調に進み、12時過ぎにはほとんどが終了した。 ライティングの調整をするスタッフ 展示作…

コガネが3種に分かれたワケ(3)

2009年に新種記載されたCは、コガネスズメダイになった。つまり学名が変わったのだ。特徴は尾ビレが白いことだが、白くない個体も存在する。分布はヒマワリスズメダイと似ていて、伊豆半島および伊豆大島以南の西部太平洋だが、生息数はヒマワリよりかなりい…

コガネが3種に分かれたワケ(2)

2005年に新種記載されたBは、和名がヒマワリスズメダイになった。特徴は腹ビレが白で、胸ビレつけ根にある暗色の斑紋がわりあい濃いこと。ただし、腹ビレが黄色い個体もいるうえ、常に腹ビレを開いているわけではないので、やはり判別は難しい。伊豆半島およ…

コガネが3種に分かれたワケ(1)

スズメダイ科のコガネスズメダイは、1830年インドネシア・アンボンで得られた標本を基に新種記載された。日本初記録の年は定かでないが、コガネスズメダイと和名が付いた。ところが、2010年ごろ、コガネスズメダイが3種に分かれた。きっかけは、オーストラリ…

クサフグ観察てんまつ記

先日の全日本潜水連盟総会で、魚類学者の林公義先生と久しぶりにお会いし、いろいろお話したことは前述のとおり。だが、忘れられない出来事もある。今となっては笑い話になるが…。 1983年6月下旬にクサフグを観察するため、友人の車で三浦半島の荒井浜(油壷…

全日本潜水連盟(JUDF)総会&講演会

2/15、両国の国際ファッションセンターに於いて、一般社団法人 全日本潜水連盟 第13期 会員総会が開催された。昨年度の事業報告や収支決算報告、次年度の計画案や予算案、規約変更などを協議し、予定どおり終了した。 全日本潜水連盟(JUDF)のPR用チラシ 総…

数奇な運命・キホシスズメダイ

スズメダイ科のキホシスズメダイは全長約15cmで、千葉県以南の西部太平洋の亜熱帯域に分布している。体色は緑がかった灰色で、尾ビレは淡い黄色。胸ビレつけ根にある大きめの黒斑が特徴。ウロコの黄色っぽい班紋が和名の由来らしい。奄美や沖縄では食用にさ…

地味だけど…ナメラヤッコ

キンチャクダイ科アブラヤッコ属のナメラヤッコは全長約10cmで、伊豆半島以南の西部太平洋に分布している。体色は明るいグレーで、体の後部は黒。尾ビレなどの後端は青く縁取られている。体色による雌雄差はなく、オスがやや大きい。警戒心が強く、危険を察…

心に残る取材(最終回)

⓱NHK潜水班研修 セミナー 取材ではないが…2014年5月、伊豆大島で開催される、NHK潜水取材班の研修で、講師を依頼された。大島での研修は、新人対象と中堅対象に分かれており、今回は後者。水中撮影のスキルアップが目的。ふだん水中撮影をするカメラマンは少…

心に残る取材(3)

⓬テレビ番組「しぜんとあそぼ」制作協力 2005年春、NHK教育テレビ(現Eテレ)のディレクターから、子供向け番組でクマノミを予定してるので、協力要請があった。了解して数日後、ニモ人気にあやかってカクレクマノミに変更となった。6月に座間味島で取材。カ…

心に残る取材(2)

❻JAL機内誌「ウインズ」〝海に潜る〟特集 1990年1月、JAL機内誌「ウインズ」(現在は「スカイワード」)編集部より、7月号 〝海に潜る〟特集の協力依頼があった。打合せの結果、編集者が講習を受けて体験記を書き、一緒にインドネシアのプロウスリブへ取材す…

心に残る取材(1)

会社勤めを辞め、フリーの写真家になったのは1981年9月。以来、40年以上いろいろな仕事をしてきた。好景気に支えられた部分もあるが、好きなことに熱中できたことも大きいようだ。徐々に記憶が薄れてきているので、消えてしまう前に今でも印象に残っている仕…

セジロクマノミの生態

スズメダイ科のセジロクマノミは全長約12cmで、奄美大島以南の西部太平洋、東部インド洋に分布している。特徴は、オレンジ色の体に白い帯が背中を通っていることて、和名の由来になっている。宿主は触手が短いアラビアハタゴイソギンチャクで、図鑑によって…

〝ケラマハナダイ〟誕生秘話と生態(2)

日本のサンゴ礁域でのケラマハナダイの生息場所は、ちょっと偏っている。砂地やガレ場など平坦な海底にある根を好み、サンゴ礁が連なる場所では見られない。そうした根にはすき間や穴が多いため、クリーナーシュリンプが住み着いている場合がほとんど。そん…

〝ケラマハナダイ〟誕生秘話と生態(1)

ハタ科のケラマハナダイは全長約10cmで、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。1970年代中ごろ、伊豆海洋公園社長で図鑑を制作している益田一氏が、慶良間諸島・安室島のウフタマというポイントで、見慣れぬハナダイを見つけて撮影した。その場所は…

ノーイの30周年パーティー

1/18(土)、座間味島のダイブセンター・ノーイ主催の新春パーティーが、日比谷松本楼で開催された。ノーイは昨年創立30周年で、忘年会と併せて開催予定だったが、諸々の事情で延期になっていた。 会場の日比谷松本楼 座間味島に通い始めて50年近くになるが…

一流モデル・ホウセキキントキ

キントキダイ科のホウセキキントキは全長約35cmになり、相模湾以南の太平洋、インド洋に分布している。体高が低く、尾ビレは湾入していることが特徴。体色は赤だが、白っぽくなることも多い。群れでいるところをよく見かけるが、単独でいる場合も多い。 テー…

カブラヤスズメダイの生態

スズメダイ科のカブラヤスズメダイは全長約8cmで、高知県以南の太平洋、インド洋に分布している。体色は、茶色と灰色が混ざったような色合いが背中から体側にかけて徐々に薄くなり、腹部は白い。そして尾ビレの上下に黒い帯があるのが特徴。枝状サンゴの周辺…

「旅サラダ」でケアンズ

1/11(土)テレビ朝日の「旅サラダ」の海外旅行は、オーストラリア・ケアンズだった。前半は熱帯雨林で、後半がグレートバリア・リーフ(GBR)の映像。 「旅サラダ」オーストラリア・ケアンズのタイトル ケアンズ・GBRには5回行っているが、最初は96年12月。…

水中写真の年賀状 2025

今年いただいた年賀状は、やはり減少した。郵便料金の値上げがきっかけで「年賀状終い」された方が多いようだ。私めも値上げに加え、プリンターが故障したため年賀状をつくらなかった。メールですませばよいと考えたのだ。 いただいた年賀状で、水中写真を使…

海のはくぶつかん閉館! 

静岡県三保にある、東海大学海洋科学博物館「海のはくぶつかん」が、2024年10月で一般公開を終了した。老朽化が要因のようだ。1970年以来半世紀にわたって魚類などの魅力を伝えてきたが、ついに幕を閉じることになった。かかわりがあっただけに、残念でしか…

今年は人気者?! 

今年は巳年ということで、注目されるはずのウミヘビを紹介する。ウミヘビには爬虫類と魚類がいて、前者は呼吸するため、時折水面まで浮上しなければならない。今回はその必要がない魚類に絞ってみよう。 まずはシマウミヘビで、サンゴ礁域の砂地に生息してい…

2024年 印象深い出来事 

2024年も今日で終わり。今年も無事に過ごせたが、特に印象に残った自分の出来事を振り返ってみる。 2/10 国際ファッションセンターに於いて、全日本潜水連盟(JUDF)の総会が開催された。その中で、永年功労者として表彰を受けた。JUDF創立が1973年で、前身…

海カレンダー 2025

今年も来年の海カレンダーが出そろった。毎年座間味島から贈ってくれる、うみまーる企画のカレンダーの2025年版は、ちょっと変化した。 「海と空の出会う場所 2025」 これまで5種だったのが4種になり、その代わりに2種のサイズが大きくなった。そのうちの1つ…

沖縄うるま市でダイビング(4)

最終日の人数は、最多の13名。快晴で穏やかだったので、南の津堅島方面へ。そして近くにある人工漁礁で潜る。水深約20mの砂底にコンクリートの骨組みだけのブロックが沈められている。漁礁の規模が小さいからか、魚が少ない。おまけにダイバーがー極集中した…

沖縄うるま市でダイビング(3)

サウス・トゥー・サウスというポイントは、大きな花びらのようなサンゴが群生している。ガイドからスリバチサンゴと説明されたが、ウスコモンサンゴにも似ているので、正しい和名は不明。サンゴの識別は本当に難しい。 群生するスリバチサンゴ(?) コモンシコ…

沖縄うるま市でダイビング(2)

平安座島周辺のダイビングポイントは、①サンゴ礁、②砂地に根、③サンゴ礁と砂地の3パターン。このほかにも湾奥の泥地もあるようだが、今回は行かなかった。サンゴ礁の切れ目に、黄色でよく目立つギチベラがいた。黄色いのでメスのようだ。 ギチベラ この辺り…

沖縄うるま市でダイビング(1)

12月17日から5泊6日で、沖縄うるま市に友人と行ってきた。目的はもちろんダイビング。10月下旬に開催されたダイビングイベントで、昔ケアンズでガイドをしていたO氏と再会した。彼は数年前にうるま市でサービスを始めたというので訪れた。 O氏のサービス「う…

ハチマキダテハゼの繁殖生態

ハゼ科のハチマキダテハゼは全長約8cmになり、相模湾以南の西部太平洋、インド洋に分布している。砂底でテッポウエビ類と共生する、いわゆる〝共生ハゼ〟だ。ダテハゼに似ているが、目の後方に褐色の細い線、そして頭に輪の模様があるのが特徴。新種記載され…