いよいよ「ミステリーサークル」をつくるアマミホシゾラフグの季節到来。つまり繁殖期に入るわけで、ミステリーサークルは産卵床(さんらんしょう)なのだ。
アマミホシゾラフグ別個体の産卵床(奄美)
産卵床とは産卵する場所のことだが、多くの魚は岩や死サンゴなど、卵を産みつける部分を掃除するだけ。したがって、ミステリーサークルのようにとてもきれいな産卵床はきわめて珍しい。しかもどの個体がつくっても形や模様が同じなのも不思議だ。
卵を守るモンガラカワハギ(慶良間)
アマミホシゾラフグの産卵床は別格。そこで他の魚がつくる比較的きれいな産卵床を調べてみた。するとモンガラカワハギ科とスズメダイ科ということがわかった。それらを紹介する前に、ガレ場のやや窪んだところに産卵するモンガラカワハギを、比較のために見ていただきたい。通常の魚はこんな感じなのだ。
キヘリモンガラの産卵床(水納島)
砂地に産卵床をつくるのはキヘリモンガラ。直径約1.5mの円を掘り、中央にガレキを集めてそこに産卵する。
クロモンガラの産卵床(慶良間)
クロモンガラはガレキの海底をきれいにならして産卵床にする。個体によっては直径70cmくらいの円状にするものもいる。
モンガラカワハギ科では、この写真の個体が最もきれいな産卵床をつくっていた。