いよいよアマミホシゾラフグの繁殖期だ。そう、ミステリーサークルが見られるシーズン。ミステリーサークルは産卵床で、魚類の中ではアマミホシゾラフグのものが一番きれいで形もよい。
別々のオスがつくったミステリーサークル
しかも別のオスがつくっても、形はほぼ同じなのも不思議といえば不思議。
モンスズメダイの産卵床

3年前に「きれいな産卵床をつくる魚」を取り上げた。そのとき挙げた魚がアマミホシゾラフグ、モンスズメダイ、クロモンガラ、キヘリモンガラ。他にも数種の魚を出したが、きれいという意味では前述の4種になる。
クロモンガラの産卵床
マリンダイビングフェアの竹富町観光協会ブースに笠井雅夫氏がいた。彼は西表島で「Mr.SAKANA」というダイビングサービスを営んでいて、新種のカサイダルマハゼの発見者。学名(種小名)も kasaiiと付けられている。その彼から、ミステリーサークルのような産卵床にハゼがいた、と聞いた。スマホに保存してある写真を探してくれたが、見つからなかった。
笠井氏が撮影した「プチミステリーサークル」
翌日、メールに添付されていた写真を見てビックリした。予想していたより形がはっきりしていたのだ。産卵床の中央にいるハゼは笠井氏によると、トンガリハゼの仲間とのこと。モンスズメダイやクロモンガラの産卵床よりも、アマミホシゾラフグのミステリーサークルに似ている。
キヘリモンガラの産卵床

ハゼの大きさは約5cmで、産卵床は約20cmとのこと。つくっているところは見ていないらしい。これまできれいな産卵床をつくる魚はフグ科、スズメダイ科、モンガラカワハギ科だったが、もしハゼがつくったのなら、ハゼ科も加わることになる。やっぱり魚の生態は不思議なことが多くて興味が尽きない。