大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

オグロベラ属(3)

『日本の海水魚』(山と渓谷社)が発刊されたのは'97年。この時点ではオグロベラ属はたった2種だった。その後2種増えて、現在は4種になった。そのひとつがアオスジオグロベラだ。


アオスジオグロベラ('99年、セブ)

イメージ 1

このベラは'00年にインドネシアのアロールで得られた標本を基に新種記載されたが、それより前('90年代初め)に座間味でダイビングサービスを営む小野氏が発見し、『マリンダイビング』('933月号)に発表している。ぼくが最初に撮影したのは'99年でセブ島だった。







アオスジオグロベラ('01年、座間味)

イメージ 2

座間味で初めて見て撮影したのは'01年で、お花畑というポイント。水深は30mで、小型のウミトサカが群生していることからこの名がある。通常はウミトサカのポリプが開いている、流れが強い時間帯にドリフトダイブするのだが、ベラ類を撮るときは若干弱まったころに入る。とはいえ、深いので粘れない。







アオスジオグロベラ('08年、座間味)

イメージ 3

新種記載されてからは種小名にちなんでセヴァーンズ・ラスと呼ばれていた。日本では伊豆大島柏島、沖縄各地などで生息が確認されていた。そして'03年に日本初記録として標準和名アオスジオグロベラが付けられた。








スミツキオグロベラ('08年、座間味)
イメージ 4

'08年に再びお花畑でアオスジオグロベラを撮影しているときに、見慣れぬベラが一緒にいた。その後オグロベラ属のスミツキオグロベラだとわかった。新種記載は'81年で、アオスジオグロベラより早い。

オグロベラ属はオスの体色はさまざまだが、メスはどの種もほぼ同じなので不思議な気がした。