大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

ロクセンヤッコ今昔

キンチャクダイ科サザナミヤッコ属は、同科では最も大型になるタイプ。日本では4種見られる。中でもタテジマキンチャクダイとサザナミヤッコはわりあい多く、沖縄や奄美では普通種とされる。



パラオのロクセンヤッコ('89年)

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ロクセンヤッコもいるが、警戒心がとても強い。座間味島に通い始めたころ(約37年前)は、ダイバーを見ると一目散に逃げて行ったものだ。追い込み網や魚突きが盛んだったからだろう。したがって、そのころの写真は海外で撮ったものしかなかった。








座間味のロクセンヤッコ('04年)                                             

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時代と共に漁を行う人が減少したからだろうか、'90年代後半ころからはロクセンヤッコもそれほど警戒しなくなり、運がよければ撮影できるようになってきた。










ホンソメワケベラに…('07年、座間味)
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特にクリーニングされているとき、静かにしてさえいればかなり接近できるようになってきた。












クリーニング中('08年、奄美
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こちらはカクレエビの仲間にクリーニングされているところ。













海外の図艦のロクセンヤッコのページ
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ロクセンヤッコの不思議なところは、幼魚が見られないこと。『日本の海水魚』(山と渓谷社)にも幼魚は載っていない。海外の図鑑『ANGELFISHES BUTTERFLYFISHES』を見ると、幼魚は濃紺の地に白の横縞で、ワヌケヤッコとそっくり。実は同属の幼魚のパターンは濃紺に白い縞模様をしている。

ロクセンヤッコの幼魚は、一体どこで暮らしているのだろうか。