大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

なぜ和名が? イナズマヤッコ

キンチャクダイ科のイナズマヤッコは、フィリピン以南の西部太平洋に分布している。全長約25cm。警戒心が強いため、撮影するのは難しい。最初に出会ったのはパラオ。素早く逃げるのをニコノスで何とか撮った。28年前のことだ。
イナズマヤッコ(パラオ

f:id:youjiuo:20191017205427j:plain

 

それから11年後、パプアニューギニアPNG)で撮影した。PNGは比較的生息数が多いため、警戒心はさほど強くない。わりあい撮りやすいと感じた。
イナズマヤッコ(PNG

f:id:youjiuo:20191017205459j:plain

 

本種は日本に分布していない。にもかかわらず、なぜ和名が付いているのだろうか。観賞魚として海外から輸入されていた昔、英名や学名ではわかりにくいので、輸入業者が通称として付けたのではないだろうか。顔やヒレなどの水色のラインを稲妻に例えたのだろう。だとすればイナヅマだが、図鑑はイナズマになっている。
イナズマヤッコ(ラジャアンパット)

f:id:youjiuo:20191017205520j:plain

 

コモドでもよく見られる。生息数も多いので、近寄っても撮れる。
正面顔(コモド)

f:id:youjiuo:20191017205539j:plain

 

コモドではたまにペアでいることもある。さすがにきれいに並んでいる姿を撮るのは難しい。これはじゃれ合っているところ。
イナズマヤッコのペア(コモド)

f:id:youjiuo:20191017205605j:plain