大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

発光器を持つヒカリキンメダイ

15日のNHKダーウィンが来た!」は、発光する生きものの特集だった。いろいろな生きものが出てきたが、特に興味深かかったのがヒカリキンメダイ。フィリピンの海中で撮影したとか。
発光するヒカリキンメダイの仲間「ダーウィンが来た!」より

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番組ではヒカリキンメダイの仲間としていた。ヒカリキンメダイ科は世界に9種いるので、特定するのは難しいからだ。日本にはヒカリキンメダイとオオヒカリキンメの2種が分布し、前者は背ビレが一つ、後者は二つという違いのほか、発光器の形も異なる。
ヒカリキンメダイの仲間「ダーウィンが来た!」より

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実は23年前、ヒカリキンメダイの仲間を撮影したことがある。インドネシアスラウェシ島沖にあるブナケン島でだ。暗闇の中、わずかな光に水中ライトを当ててすぐ消し、ピントを合わせてシャッターを押す。もちろん露出は勘。現像したフィルムには2~3枚しか写っていなかったが、なんとサンゴの卵が浮いていた。卵を食べていたのだ。
サンゴの卵を食べていた。背ビレは二つある(ブナケン島)

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発光するのは発光バクテリアが共生しているからで、点滅の仕組みは小学館の『日本魚類館』に載っていた。種によって仕組みは異なるそうだ。また、発光の理由は、①エサであるプランクトンを呼び寄せる。②群れ全体で光を消して天敵から免れる。③仲間同士のコミュニケーションなどがあるという。
発光器の明減の仕組み『日本魚類館』より

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