大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

敬老の日スペシャル

敬老の日ということで、長寿魚に登場願おう。平たくいえば老成魚だが、厳しい自然の中で長く生き続けることだけでも大変なので、敬意を表したい。

まずはハマクマノミ。幼魚期は白帯が3本あり、成長に伴って尾に近いほうから消える。最後の顔の白帯が消えた個体は見たことがないが、この個体の白帯は、まさに長寿の証かも。

ハマクマノミ(座間味)

 

ボラは目の表面を保護するため、脂瞼(しけん)という、脂質の膜で覆われている。若いうちは薄くて透明だが、老成すると厚くなって視力が落ちる。そのため群れに付いていくことが困難になり、単独で行動する。

ボラ(大瀬崎)

 

ハナミノカサゴは目の上の皮弁が特徴なのだが、老成するとなくなってしまう。動きもゆっくりになる。

ハナミノカサゴ水納島

 

スジモヨウフグは内湾の砂泥底に生息する。体全体に縞模様が入っているが、成長とともに薄くなり、老成すると消えてしまう。海底で休むことも多くなる。

スジモヨウフグ奄美

 

イシダイは縞模様が特徴で、若い個体ほどはっきりしている。成長に従って縞模様は薄くなり、老成すると消えてしまう。一方、口の周辺は黒くなるため、釣り人たちからは「クチグロ」と呼ばれる。ちなみに、イシガキダイの老成魚はクチジロという。

イシダイ(初島