ハマクマノミ(座間味)
この写真では成魚の右、体長とほぼ同じ距離にいるのがわかるだろうか。白枠内が同一個体。
白帯3本の幼魚(石垣)
ハマクマノミの幼魚期には白帯が2~3本ある。成長に伴って後ろから消え、成魚になると顔のところに1本だけ残る。小さなイソギンチャクに単独でいる幼魚は、白帯が3本ないし2本の場合がほとんど。成魚がいるイソギンチャクに住む幼魚は、小さいながらも白帯は1本のことが多い。
白帯は後ろから消える(座間味)
その理由としては、単独の場合は繁殖相手がいないので成熟を遅らせ、体を大きくするのにエネルギーを回す。したがって、幼魚期の斑紋が遅くまで残る、ということらしい。
真ん中の白帯が消えかかった幼魚(奄美)
一方、成魚がいるイソギンチャクにたどり着いた幼魚は、繁殖相手になる可能性があるので、幼魚の特徴である白帯が速いスピードで消える。しかし、オスやメスが健在なら成長を制御されるため、白帯は1本ながら全長は2~3cm止まりの場合が多い。
稀に成魚がいるイソギンチャクに白帯が2本の幼魚を見ることがある。おそらくイソギンチャクに入って間もないため、白帯が消えなかったのだろう。ハマクマノミは、オスとメスの大きさにかなり差がある。研究者がオスの大きさと成熟度の関係を調べた結果、全長4cm以下は未成熟で、オスとしての機能があるのは5cm以上だったらしい。