魚の世界では、成長と共に体色・斑紋が変化することは珍しくない。さらにメスからオスに性転換する種もいるため、とても複雑になる。ここではイロブダイの成長過程を見てみよう。全長約5cmの幼魚は体が白で、顔がオレンジ色。成長に伴ってオレンジは茶色になり、腹部にも黒っぽい斑点が増えてくる。
イロブダイの幼魚（奄美）
20cmを越えるころになると、行動範囲は広がる。顔はさらに茶色く、腹部も焦げ茶色になる。
約20cmの若魚（座間味）
約40cmになると成熟したメスになる。体の色は背中の白を残し、顔から腹部は焦げ茶色に変わる。
約45cmのイロブダイのメス（座間味）
成魚は警戒心が強く、特に日本では近寄るのは困難。岩などに生えている藻類をエサにしているので、夢中になって食べているときが近づくチャンス。メスの中から強いものがオスに性転換するが、その実態はよくわかっていない。このメスは背中の白が少ないので、オスに変わりつつあるのかもしれない。
約50cmのイロブダイのメス（コモド）
この個体は腹部が黒っぽいので、性転換したばかりのオスと思われる。
約55cmのイロブダイのオス（伊江島）
タヒチやモルディブでは、イロブダイのオスにかなり近寄ることができる。オスの体色は青やピンクが複雑にデコレーションされ、美しい。白とオレンジの幼魚が同じ種とは思えない。
約60cmのイロブダイのオス（タヒチ）
