ゴンべ科のホシゴンべは、伊豆半島以南の太平洋、インド洋に分布している。全長約25cmになるようだが、見られるのは20cm以下がほとんど。また、成魚は主にサンゴ礁域に生息する。体色・斑紋はこの写真の個体が最も一般的で、顔に褐色の点が無数にあることが特徴。この点を星に見立てて和名が付けられたと考えられる。
ホシゴンべの成魚(座間味)
本種の幼魚は、体色が背中側と腹部側で分けられている。腹部側は白だが、背中側は緑がかった茶色や赤茶色、あるいは赤などいろいろなタイプがいる。顔の点々は幼魚ほど少なく、成長に従って増える傾向がある。
上は約5cmの幼魚(座間味)、下はどちらも約7cm(奄美、石垣)
背中側と腹部側が分けられているのはおよそ10cmくらいまでだが、時にはそれ以上になっても変わらない個体もいる。ちなみに本種は、外見でオスとメスの区別はつかないい。
幼魚の体色・斑紋をした成魚(マレーシア・シパダン)
とにかく本種はカラーバリエーションが豊かで、あるときこんな体色の個体に出会った。最初はホシゴンべとは思わなかったが、顔を見てわかった。
珍しい体色の個体(座間味)
奄美で16時ごろ潜っていたら、動きが活発な2尾のホシゴンべがいた。おそらく求愛だと思うのだが、カメラを構えて待っていたけれども進展なし。オスと思われる個体が、縞模様を表しただけだった。
縞模様を表した個体(奄美)
フィジーでは全体が赤いゴンべがいた。でも顔には点々があり、ホシゴンべに間違いない。南太平洋にはこのようなタイプが多いようだ。どうしてホシゴンべはバリエーションが豊富なのか、やはり謎としかいいようがない。
赤いタイプの個体(フィジー)