大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

シマタレクチベラの成長過程

ベラ科のシマタレクチベラは全長約40cmになり、伊豆半島以南の中・西部太平洋、インド洋に分布する。成魚が普通に見られるのは、奄美以南のサンゴ礁域になる。繁殖期になると、オスが数尾のメスを支配するハレムを形成する。

シマテレクチベラのメス(座間味)

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以前、奄美の人気ポイントでシマテレクチベラの幼魚を見つけた。大きさは約3cm。そのポイントは砂地にある根だったので、ある程度大きくなるまで移動しないだろう。そして1個体しかいなかったので、成長過程が観察できるに違いないと思った。

全長約3cmの幼魚(奄美

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たまたま2か月後に奄美へ行くことになったので、そのポイントで幼魚を探した。案の定、移動はしていなかった。模様の特徴からも同一個体に間違いない。少し成長し、模様がシマタレクチベラらしくなっていた。

2か月後、全長約3.5cmになった幼魚(奄美

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それから半年後には姿を消していた。ある程度成長すると行動範囲を広げるので、別の場所に行ったのだろう。シマタレクチベラの若魚はあまり見ないが、出会ったことがある。姿は成魚に近いものの、顔に幼さが感じられた。

全長約8cmの若魚(奄美

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オスはメスより体がやや大きいくらいで、模様にはそれほど差はない。ただし、繁殖期になると違いがはっきりする。オスの頬のあたりに黒っぽい斑紋が現れ尾ビレは上下黄色で間が黒になる。いわゆる婚姻色だ。繁殖期は初夏から夏だが、座間味では冬にもオスが婚姻色になっていたこともあった。繁殖期が何回もあるのだろうか。

婚姻色になったオス(座間味)

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