チョウチョウウオ科のヤスジチョウチョウウオは、黄色地に黒の線が8本入っているのでその名がある。しかし7本は確認できるのだが、あと1本は尾ビレの薄い線なのか、それとも顔にある鼻筋の黒線なのかは定かでない。
最も多いタイプ(チェンデラワシ)
それはともかく、ヤスジチョウには地域変異があることが知られている。黄色地が濃いもの、白っぽいもの、その中間というのが大まかな変異だ。これは一般的な中間タイプで、ニューギニア島西部のインドネシア領のチェンデラワシ湾のもの。
パラオやパプアニューギニア(PNG)に生息するヤスジチョウは濃いタイプだ。パラオで撮った写真は残っていないが、PNGのニューブリテン島のキンベ湾(ワリンディ)で出会ったヤスジチョウは黄色が濃かった。
白っぽいタイプ(タオ島)
中間タイプ(奄美)
日本でヤスジチョウが通年見られるのはおそらく奄美大島だけ。生息するのは中間タイプだが、よく見ると一つ置きに薄くなっている。
ラジャアンパットにはさまざまなタイプが
ラジャアンパットには何度も行っているが、なぜかヤスジチョウのタイプがさまざまで、白っぽいタイプから濃いタイプまでいるのだ。中間タイプもやや濃かったり薄かったりと幅がある。
どちらもラジャアンパットで撮影
理由としては、大陸移動の影響で3つのプレート(ユーラシア、オーストラリア、太平洋)がこのエリアに集結したため、ルーツが異なるヤスジチョウが混在したからではないだろうか。