大方洋二の魚って不思議!

写真を通して魚類の生態や海について考える

メバルがとんでもないことに…

釣りの雑誌『Fishing Cafe52号が届いた。以前ロウニンアジ特集のときにかかわって以来、毎号送っていただいている。中に東海大学海洋科学博物館元館長・鈴木克美氏の連載「魚の不思議な生態学」もある。


鈴木氏の記事と雑誌の表紙
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今号のタイトルは「メバルも世につれ…」。それを読んで愕然とした。「メバル」がアカメバルクロメバルシロメバル3種に分かれ、「メバル」は消滅したというのだ。'08年のことらしい。








佐渡では砂地にメバル(?)が並ぶ
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そればかりではない。以前はカサゴ目フサカサゴ科だったが、今はスズキ目カサゴ亜目メバル科になっているとか。「科」だけならまだしも、「目」まで変わってしまうとは…。









単独でいる場合もある(大瀬崎)                                              
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そうすると、今までメバルと思い込んでいた魚は、どれに当てはまるのだろう? 色で見分けられるのだろうか?
どうも標本の体色で和名が付けられたらしい。そうであれば海で生きている状態とは異なるため、体色だけでは決め手にならない。







ウミカラマツの中で(佐渡)                                             
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メバルはこれまでも生息場所や個体によって体色が異なることは知られていた。行動も違いがあるらしい。そんなことで、以前から別種と考える学者もいたようだ。









求愛。胎生なので交尾をする(大瀬崎)                                             
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3種に分かれる根拠になったのはDNA解析によるものだが、胸ビレの軟条数もそれぞれ違うとのこと。
科学的な調査も必要かもしれないが、外見で見分けがつかなければ我々ダイバーは識別しようがない。たぶんこれからも「メバル」で通してしまうことだろう。